「アジア・リージョナル・ワークショップ」で日本に問われている課題とは

2012年11月02日

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アジアリージョナル会議で、日本に問われている課題とは

聞き手:言論NPOスタッフ


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スタッフ:工藤さん、こんばんは。今日、CoCのアジアリージョナル会議の夕食会が行われ、会議がスタートしましたが、感想をお願いいたします。

工藤:今回はアジアリージョナル会議と言って、アジアの中でアジアの課題について議論するという会議が発足したわけです。私は世界の20団体のCoCのメンバーとして今回の会議に参加しています。今回の会議を皮切りに、12月にはロシアでも会議が行われるのですが、世界がいろいろなグローバルな課題に対して答えを出さないといけない、という段階にきています。それは、今の国際的な枠組みでは、世界が直面している課題に対してなかなか決められないという現実があるわけです。それに対して、このチームではいろいろなことを議論しようということで会議をやっています。

 ただ、僕たちから見れば、アジアリージョナル会議に参加しての大きな問題は尖閣問題です。CoCには中国と韓国、それからインドネシアなどのシンクタンクも参加しています。その中で尖閣問題をどのように議論していけば解決できるのか、ということをこの機会を利用して、日本側の考えを世界の19カ国20団体に伝えたいと思っています。今回はそういうことで、会議に参加したという状況です。

スタッフ:明日、工藤さんがパネリストとして参加するセッションがありますが、それに向けて意気込みをお願いします。

工藤:今回は、いろいろなテーマについての議論が控えています。例えば、EU危機の問題に対するアジアの対応について、それから、南シナ海にも、東シナ海と同じような領土紛争があるわけです。そういう問題や、核拡散の問題など様々な問題について議論することになっているのですが、僕は海洋の領土問題についてスピーチをすることになっています。

 そこでは、日本の主張はきちんと伝えますが、やはり答えを出さないといけない、と僕は思っています。尖閣問題で海洋ではかなり緊張感ある事態が続いています。その中で、制限区域とか排他的経済水域で、日本の巡視船と中国側の巡視船がぶつかろうとしています。その連絡のシステムも全く無い状況が続いています。

 やはり偶発的な事故はどうしても回避しなければいけない、ということを含めると、尖閣問題をきちんと考えなければいけないという段階にきている。それをきちんと説明しなければいけないと思っています。

 明日の会議のスピーチの原稿は書き上げたのですが、今日の朝に楊潔勉さんという上海国際問題研究所の所長さんと食事をしながら話をしました。楊潔勉さんはお兄さんが楊潔篪さんという中国の外務大臣です。そこで、1時間近く尖閣問題についてかなり議論しましたが、日中間に、かなり認識のギャップがありました。これを埋めていくことはかなり大変だと実感しました。ただ、尖閣問題が日中間の経済問題にも飛び火していて、かなり深刻な問題になっており、何とか影響が広がらないようにやっていこう、ということについては一致しています。この辺りに1つの手がかりがあるように思っています。

スタッフ:それでは明日、がんばってください。ありがとうございました。