東アジア・太平洋の対話の枠組み作りを 聞き手:言論NPOスタッフ |
スタッフ:工藤さん、3日間のCoCの会議を終えて感想をお願いします。
一過性に終わらせたくない本音の議論
工藤:今回はグローバルガバナンスが機能していないということで、5テーマにわたってずっと議論を行ってきました。気候変動の問題や貿易の体制、宇宙の利用、インターネットの問題など、色々な問題が話し合われました。国連をベースにして、色々な人たちが参加をし、合意をしていくということがうまくいかない中で、その枠組みを残しながら具体的な合意をどうやってつくっていくのか、ということについてかなり突っ込んだ議論になりました。CoCの会議は非公開ですので、本音の議論が交わされました。
今回の会議には23カ国の代表が集まり、いろいろな意見交換を行いましたが、みなさん、ここで議論したことをアクションに繋げたい、ということを言っていました。
最後に、このCoCの会議をどうしていくのか、ということについても話し合いました。世界のトップクラスのシンクタンクが集まっていることから、議論のレベルはかなり高いのですが、この議論をただ一過性のものに終わらせるのではなくて、何かの動きに繋げていきたい、ということを発言している人がいましたが、私もそう思っています。外交問題評議会としても、試行錯誤しながらいろいろな形でやっていきたいということを盛んに言っていました。私は、最終的にこの議論を成果に繋げていくプロセスがそろそろ必要なのではないか、と思っています。また、こういう専門家による一流の議論を、一般の人を巻き込んだ形でやる、ということがあってもいいなと思いました。
不安定な地域の合意形成に挑戦
今日、年次総会が終わりましたが、今年はリージョナルな会議を2回行うことになります。言論NPOからも、CFR会長のリチャード・ハース氏に、東京で開催できないかということを提案しました。中国や北朝鮮など様々な問題があり、東アジアのガバナンスが非常に不安定になっている。そのような中で、専門家だけではなくて、いろいろな国の民意を集めながら、リージョナルなガバナンスの安定化に向けた動きに挑戦していきたいのですね。今回は、CoCの会議に参加するだけではなくて、東アジア、太平洋の新しい対話のチャネルをどうつくるのか、というチャレンジに向けた第一歩にしたいと思っています。
明日からの2日間は、ワシントンの主要なシンクタンクのトップや政府関係者、議会など20人ぐらいの人たちと会うことになっています。それから、メディアの人たちにも会います。どうすれば東アジア、太平洋の対話の枠組みを民間ベースでつくれるのか、ということについて、ワシントン側の知恵も借りてきたいと思っています。
今日は3月12日、東日本大震災から2年と1日を迎えました。私は青森出身ということもあり、復興がまだまだ道半ばだということが非常に気になっています。ただ、日本全体が未来に向けて本気で動かないといけないと思っていますので、私なりに前に向けて動いていきたいと思っています。また、明日も皆さんに報告したいと思っています。
ワシントンから工藤でした。
スタッフ:どうもありがとうございました。