アメリカのアジア・リバランスを巡って
 ―米国議会上院・民主党外交問題補佐官らとの対話

2013年3月15日

 工藤:今は、3月14日の朝8時半、寒いワシントンからの報告です。先ほど、上院の民主党の外交問題補佐官と1時間ほど話をしてきました。昨日に引き続いて、アメリカのアジア・リバランスがどう展開していくのか、ということについて、突っ込んだ議論を行いました。基本的な方向性は大きく変わろうとしていて、アメリカがアジア・リバランスという方向に変え始めてきているということは、事実だと。その動きは短期的なものではなく、時間をかけて動いていくということでした。


 昨日までの、色々なシンクタンクの人たちと議論をして、このアジア・リバランスが十分に機能していないのではないか、という話があったので、それについて意見を交わしたのですが、そうした見方について、この補佐官は異論を持っていました。特に彼が強調していたのは、そのリバランスが動いている中で、技術革新などを通じ、ネットワークとして安全保障上の軍のパワーというものを再編しつつ、機能する形で時間をかけながら着実に進んでいる、ということでした。

 こういう対話ができたことを、補佐官は非常に喜んでいらっしゃいました。嬉しかったのは、私たちの言論NPOが中国の軍関係者、それから韓国、アメリカを交えた形で、東アジアのリージョナル・ガバナンス構築のために、かなりオープンな形での対話を準備して動いているということについて、積極的に応援したい、関わっていきたいと言われ、強力なサポートの意思を表明していただいたことです。


 今日は、私たちが考えている東アジアでの対話、民間のパブリック・ディプロマシーの展開が、何となく一歩ずつ進んでいくような実感を得ました。これから、ワシントンの主要なシンクタンクの幹部と会いますので、それが終わったら、また皆さんに報告させてもらいます。