「民主主義を機能させる」という問題意識を共有できたインドネシア訪問 ~インドネシア訪問を振り返って~

2015年1月10日

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「民主主義を機能させる」という問題意識を共有できたインドネシア訪問
~インドネシア訪問を振り返って~

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言論NPOの工藤です。今、ジャカルタの国際空港に来ていて、これからインドに向かいます。

2日間のインドネシア滞在で、インドネシアの元外務大臣やバリ国際フォーラムの関係者、主要メディアの編集長、政府関係者、CSISのディレクターなど、いろいろな人たちと意見交換を行いました。そうした会合を経て驚いたことは、インドネシアの人たちがデモクラシーという問題にかなりこだわっていて、それを深化させ、発展させることに非常に関心を持っていたということでした。


インドネシアで共有できた「民主主義を機能させる」という問題意識

言論NPOは元々、日本の国内においてデモクラシーをいかに機能させるか、そして健全な輿論をどのように構築するのか、ということを考えていたのですが、問題意識はかなり共有することができました。インドネシアの民主化はまだまだ途上で、かなり不安定な面もあると思うのですが、様々な困難を乗り越えて民主主義を獲得しようとしているために、リアルにデモクラシーを考えているという感じを受けました。ですから、私はインドネシアの人たちに、「デモクラシーという問題について、日本とインドネシアの人たちで議論をしてみませんか」ということを問いかけつづけました。皆さん、その提案に対しては賛意を示してくれて、私たちといろいろな議論をしたいと言ってくれました。

昨日も深夜まで、政党政治の在り方や民主主義をインターネット上でどのように発展させるのか、投票をベースにした代表制という問題をどのように有権者の中で構築していくのか。また、オピニオンリーダーの意見をどのように吸い上げていくのか、かなり踏み込んだ議論をしていました。まさに、言論NPOが持っている問題意識を共有できるような思いがインドネシアの人たちの間にもあり、議論が始まったわけです。


民主導でデモクラシーを議論し、課題を乗り越えるための環境づくりを

バリに政府系の人たちが動かしているデモクラシーフォーラムというものがあります。この動きも現在進行形で動いていて、そうした動きに対する協力についての提案も受けました。ただ、私たちは民間ベースでデモクラシーという問題を話し合い、その中でお互いに課題を共有して課題を乗り越えていく、そうしたサイクルが日本とインドネシアの間で実現できないか、問いかけ続けました。そうした問いかけに対し、インドネシアの人たちも賛意を示してくれて、非常に手応えを感じています。年内に何らかの動きが起こるのではないかと思っています。

こうした対話は、アジアの中で極めて大事なことだと思いました。日本は民主主義の国ですが、デモクラシーという問題は、日本だけではなく世界各国でいろいろな形でチャレンジを受けているわけです。そのデモクラシーへのチャレンジを乗り越えて、更に機能させていくために試行錯誤を繰り返す。デモクラシーは制度としてあるだけでは意味がなくて、機能させなければいけないのですが、そういうことに対して、インドネシアの人たちも全く同じ気持ちでした。

私は、今回のインドネシア訪問を通じて、こうした議論がアジアの中で全体的に広がって行って、自由な言論、議論が起こってくるような環境づくりが必要なのではないかと思いました。


議論の舞台はインドネシアから、世界最大の民主主義国家のインドへ

さて、これからもう一つのデモクラシー大国であるインドに向かい、アメリカの外交問題評議会(CFR)が創設したカウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)の地域会合に出席し、世界各国のシンクタンクの人たちと世界の課題について議論することになります。会議では、世界的な経済の問題、気候変動やミレニアム開発目標のポスト2015年の目標、さらにエボラ熱の感染の抑止やWHOの問題などの議論が行われます。また、先日から話題になっている、フランスでのテロの問題、イスラム国の問題も含めテロという問題をどのように考えていけばいいのか、そういったことも議論になると思います。

つまり、こうした国際的な課題について、市民がどんどん発言していくような環境がこれからも必要だと思いますが、まず私の方で、そうした課題について、世界のシンクタンクの人たちと徹底的に議論してきたいと思っています。また、その中身については皆さんに報告したいと思っています。


ということで、ジャカルタの国際空港から、工藤が中間報告というかたちでお送りしました。