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■■■■■言論NPOメールマガジン
■■■■■Vol.54
■■■■■2003/11/11
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■クオリティ誌『言論NPO 2003 vol.3――マニフェストと日本の争点』■
総選挙の争点と注目を集めるをマニフェストを総力特集。
「政策評価委員会」を立ち上げ、過去2年間の小泉改革の分野別に評価。
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●INDEX
■ 座談会 小川是×保岡興治×村松岐夫 司会:曽根泰教、工藤泰志
『マニフェストの策定と実行過程の課題 第1回』
■ 言論NPO スタッフ募集のお知らせ
●TOPIX
■ 言論ライブラリー:「新着コンテンツ」大幅アップ
■ 毎日新聞との共同作業:「衆院選・政党の公約 自民・民主マニフェスト評価」
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■ 座談会『マニフェストの策定と実行過程の課題 第1回』
小川是 (日本たばこ産業会長)、保岡興治(衆議院議員)、
村松岐夫(学習院大学教授)
司会 曽根泰教(慶應義塾大学大学院教授)、工藤泰志 (言論NPO代表)
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マニフェスト型政治に向けて政治や行政は本当に変わるのか。内閣と与党、官僚シス
テムなど実行過程についての論点は何か。自民党・保岡議員は、官僚の限界を超えた
総合的な政策設計に向けて政治の改革が進展していると現状を評価。行政学者である
村松教授は、重要テーマを評価する民間機関の必要性を強調する。元大蔵事務次官で
ある小川氏は、権限とミッションの所在を明確にした政治のリーダーシップの下で公
務員の志が生かされることへの期待を表明する。
曾根 マニフェストの定義自体はさまざまですが、私なりに整理すると、有権者に政
権像を示すと同時に政策の具体的実行案として、それが冊子にまとめられてい
る。そして、政権期間中にどれだけ達成できたかを監視し、検証することを可
能とする形式で発表されることが必要なのだと考えています。最初にお聞きし
たいのは、実は民主党側は党内手続が比較的簡単ですが、自民党は従来の政治
プロセスがある中で、総裁選での小泉首相の公約を党の政権公約にすることは
可能なのか、という疑問があります。小泉首相は総裁選での公約を踏み絵にし
たいと話していましたが。
保岡 7月8日に国家戦略本部の国家ビジョン委員会が政権公約に関する提言を総理の
ところにお持ちしまして、そこでは四項目の提言を出しております。1つは総
裁選挙で選ばれた候補者の公約を次の総選挙の党の公約の基本に据えること。
選挙の際には、国民に伝える手段として、今の公選法の規制を解いてあげなけ
ればならないこと。さらに新しい政権公約では、従来の公約と違うことを示
す。もう1つは、政権についた暁にそれをより効率よく正しく具体的に実行す
るための体制を整えること。例えば、内閣の機能強化や、政党と内閣の責任を
一体化して強いリーダーシップにして改革を実行するというような、内閣と党
の一元化や人事のあり方などを提言として持っていったわけです。
小泉総理はこれに大いに賛成し、時宜を得た提言だと言っていただきました。
総理にはよく政権公約のことを理解していただいていると思います。党も次の
総選挙の公約づくりに既に入っておりまして、麻生政調会長や公約担当の副会
長である武部前農林水産大臣などが中心になって、部会からくみ上げて、テー
マを明確にして、具体的な目標を数値で示し、それを実行する財源等実行体制
の具体的な取りまとめに向けた検討委員会を立ち上げて作業を進めています。
曾根 小川さん、今までの自民党の『わが党の公約』に、大蔵省は手を入れているこ
とはないと公式には言われていたのですが、予算にかかわるようなことは必ず
手を入れていたはずです。ですから、『わが党の公約』を見ますと、各省、各
部会の意見が相当集約されて、満遍なく関係団体には目配り、気配りをしてい
た。そういう意味ではこの文書には官僚機構は事前に絡んでいた。では、事後
にはどうだったのでしょうか。当選後に、この公約というのは具体的に政策を
動かすエンジンとして機能していたのでしょうか。
小川 結論として言えば機能していたと思うのですが、私はきょうの議論の今のス
タートにすごく違和感を感じています。それは、まさに保岡さんが今おっ
しゃったように、自民党が党の政策をつくるのに、各部会から各省に何を入れ
たらいいかと聞くのは、我が国の政党政治、政権をこれから奪って政治をやる
という上で、過去はそうだったにしても、今も同じことするとすれば非常に違
和感を覚えるのです。
今、マニフェストが話題になっているのは、国政における政党の意義は、政権
構想をもって政権を獲得する、奪うぞという意味があるからだと思うのです。
政権を奪うぞという意味は、50年取り続けるぞという考えもあれば、それを
破って取るぞという別の対抗勢力がなければ意味がないわけです。非常に民主
主義が成熟する、あるいは経済社会が安定してくると、人々の考え方は二大政
党的な方向へ進んでいく。欧米だけではなく、日本でもそうだと思う。マニ
フェストが話題になったことの意味というのは、政権を党の政策である程度争
う動きとして考えれば大いに歓迎できるし、サポートしたいと思うわけです。
曾根 まさしくそこがポイントで、選挙とは有権者が政権を選ぶということであるわ
けです。そうすると、選択肢を提供しなければならない。その選択肢を具体化
したものがマニフェストだと位置づけるとわかりやすいと思うのです。マニ
フェストを議論するということは、今までの制度を相当変えるぞというメッ
セージでもあると思うのですが。
村松 従来、どの政権党であれ他の政党であれ、公約がかなり数が多くて、満遍なく
という感じがあるわけです。それは、日本国家の政策というのは多いはずです
から当然と言えば当然ですが、その中でも重点は何ですか、優先順位は何です
かということはもっとはっきりしていてよかったと思っています。今度のマニ
フェストの議論の中から出てきているものには、やはり新しい問いかけがある
のだというように感じています。
曾根 もう1つお伺いしたいのは、マニフェストを導入すると、当然のことながら党
と今の官僚機構との関係に手をつけざるを得なくなってくるのではないかと思
いますが、これをどう変えれば実行に結びつくとお考えですか。
村松 マニフェストというものが私の言ったような内容で重点があり、優先順位があ
る形でできても、その実行システムとしては、今の中では内閣が閣議決定か何
かして省庁官僚のところにおりていく手続を踏まざるを得ないわけです。です
から、マニフェストを入れたから、すぐにどうなるというところは、私には少
し見当がつかない。というのは、従来の日本の行政制度では、トップが今まで
より強く決めても、それを受けとめて実行していくのが省庁になっていますか
ら、そこのところは従来と案外変わらないという可能性があるのです。
曾根 保岡先生、マニフェストで示された政策の実行の問題は、今までの議論でいく
と、内閣・与党一元化の話、首相を中心とする内閣のリーダーシップの問題と
裏表の関係です。これを導入するからリーダーシップ強化ができるのだという
話ですね。逆に言うと、リーダーシップ強化と幾ら言っても、マニフェストが
ないと手足を縛られたリーダーシップと言われているようなもので、選挙に
通ったマニフェストはそれこそ利益集団だろうと官僚機構だろうと言うことを
聞かざるを得ないということですね。
保岡 従来のやり方は官僚が中心で、そこの意見をよく聞いて、官僚と政治家が協力
する関係を土台にして動いていた。官僚の意見に政治家は注文をつける。官僚
にまとめてもらっていた。
しかし、将来の国家理念に基づく国民生活像が必要な時代に、そういうものを
描くのには具体的で明快な基本設計が必要なんですね。そういう長期のビジョ
ンや官僚の縦割りを乗り越える総合的な政策をつくれと言っても、官僚にはで
きない。だから、これは政治がやらなければ、誰もやる人がいない。この意識
の転換、歴史的な大きな変化が大前提だと思うのです。
──次号へつづく──
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■ 言論NPO スタッフ募集のお知らせ
●募集職種:(1)広報スタッフ (2)事務局管理スタッフ (3)一般事務
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(1)広報スタッフ
言論NPOのコンテンツ事業をマスコミなどに知らせるために広報活動を展開する。
会員のニーズを把握し、会員の参加を進めるため、 会員向けフォーラム、シンポジウ
ムを企画、立案し、運営、開催、進行を行う。
(2)事務局管理スタッフ
言論NPO事務局全体の進行管理を行う。
(3)一般事務
データーベース管理、組織運営事務、雑誌在庫管理等、経理・給与事務全般、その他
事務及びアシスタント業務。
●必要とされる能力:
・言論NPOのミッションへの理解と共鳴
・自己研鑽と新しいことへ挑戦する意欲
・メンバー、会員、顧客から好感を受ける対応
・協調性
・コンピューターなどの事務処理能力
●資格・経験:
(1)できればマスコミまたは広報担当経験者。英語力尚可。
(2)できればオフィス管理経験
(3)特になし。
できれば大学院卒、留学経験あれば尚可。年齢不問
●待遇:当法人規定による
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職務経歴書、志望理由を明記の上、写真貼付の履歴書を2003年11月14日(金)必着で
ご郵送ください。尚、応募書類は返却いたしかねますのでご了承ください。
宛先:〒107-0052
東京都港区赤坂3-7-13 国際山王ビル別館3F
言論NPO スタッフ募集係
●お問合せ:山本
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●TOPIX
■ 11/7 言論ライブラリー:「新着コンテンツ」大幅アップ
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■ 11/4 毎日新聞との共同作業:
「衆院選・政党の公約 自民・民主マニフェスト評価」
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シンポジウムなど、多様な活動を展開しています。
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クオリティの高い議論の形成
2. 議論の形成や参加者を増やすために自由でフラットな議論の場の
形成や判断材料を提供
3. 議論の成果をアクションに結び付け、国の政策形成に影響を与える
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