2005/1/23 毎日新聞
日中間の感情的対立はネットメディアで打開
「中日間の感情対立がなぜ起きているのかを両国の有識者が本音で議論するプラットフォーム(舞台)にしたい」
小泉純一郎首相の靖国神社参拝、東シナ海での中国の資源開発……。機微に触れる問題を日中の学者ら有識者が討論し相互理解を深める。底にネットメディアを利用した新たなアプローチができないか。そんな問題意識を、インターネットを通じ政策評価・提言している非営利組織「言論NPO」(工藤泰志代表)と共有。討論の場を設け詳細を双方のホームページで公開する?議論提携?で合意した。中国の主要メディアと日本の政策NPOという異色の組み合わせだ。
ネット版(英語と中国語)開設10年で国内外から1日550万ページ分のアクセスを誇るまでに成長させた。英国留学を経験し、中国で若手エリート留学帰国者を目指す「海亀派」。「日本は中国人の気持ちを逆なでしていると思うが、中国にどんな文句があるのかも知りたい。現状では相互理解が欠如している」。問題の根っこをこう考える。
中国で影響力が強いネットメディアの活用には利点もあるという。「最高指導者や政策立案者も民意を理解する場として重視しています」。当局の規制もかかるのでは?」との疑念には「反対は一切なかったですよ」と笑ってけむに巻いた。
キックオフは7月の北京でのシンポジウム、次は同時世論調査。「隣同士が敵同士にならないよう10年は続けたい」。息の長いチャレンジだ。
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○張平(ちょう・へい)
上海外国語大学卒。中国の英字新聞・中国日報外信部、上海支局などを経て95年に同社子会社チャイナデイリー・ドットコム・シーエヌ社長。40歳。
2005/1/23 毎日新聞