発言
言論NPOの活動は、マニフェスト評価と日中対話を基軸に据えている点で、国内・国際の両面で近未来の日本社会を構想するさいのポイントをついています。民主党の圧勝に終わった夏の総選挙は、政党がそれぞれにマニフェストを掲げるかたちで争われました。マニフェストに関心を寄せた有権者も多かったと思います。
ただし残念ながら、成熟したマニフェスト選挙とはなりませんでした。マニフェストの前提には緻密な政策検討があってしかるべきですが、与野党ともに十分だったとは思えません。看板の見栄えの良さを競ったようなところがあります。その意味で、言論NPOの仕事は緒についたばかりです。マニフェストの背後にある政策のレベルを明らかにし、各党の政策立案のパワーを評価する作業がいまほど求められているときはありません。一層の奮闘を期待したいと思います。
生源寺 眞一
東京大学大学院農学生命科学研究科教授・研究科長
1951年愛知県生まれ。76年東京大学農学部卒業。農林省農事試験場研究員、農林水産省北海道農業試験場研究員、東京大学農学部助教授を経て現職。食料・農業・農村政策審議会委員、国土審議会委員、日本フードシステム学会会長等を務める。著書に『現代日本の農政改革』(東京大学出版会、2006年)、『農業再建』岩波書店(2008年)、『新版よくわかる食と農のはなし』家の光協会(2009年)など。
東京大学大学院農学生命科学研究科教授・研究科長
1951年愛知県生まれ。76年東京大学農学部卒業。農林省農事試験場研究員、農林水産省北海道農業試験場研究員、東京大学農学部助教授を経て現職。食料・農業・農村政策審議会委員、国土審議会委員、日本フードシステム学会会長等を務める。著書に『現代日本の農政改革』(東京大学出版会、2006年)、『農業再建』岩波書店(2008年)、『新版よくわかる食と農のはなし』家の光協会(2009年)など。