田波 耕治

田波 耕治氏発言

 「言論」は、基本的には、少数意見のためにあると思う。その意味では、「異論」こそ、「言論」の本質であろう。しかしながら、慌しいマス社会にあっては、どうしても「異論」は片隅に追いやられ、無視されがちである。

 日本の過去の多くの失敗が、異論に耳を傾けずに、暴走にブレーキをかけられなかったことによってもたらされたことは明らかであるにも拘らず、我々は、なかなか、過去に学べない。

 言論NPOは、今後とも、さまざまな「異論」を発掘し、発信することによって、人々に「考える場」を提供し、世の中に貢献してほしい。



田波 耕治
株式会社三菱東京UFJ銀行 顧問

1964年東京大学法学部卒業後、大蔵省に入省。大臣官房秘書課長、官房総務審議官、内閣内政審議室長、98年大蔵事務次官に就任。大蔵省退官後、国際協力銀行副総裁を経て、同総裁に就任。08年9月退任。