蓑田 秀策

蓑田 秀策氏発言

 過去20年の我が国の政治・経済の停滞、国際社会における地位の凋落ぶりは目を覆うばかりであり、昨年来の世界経済・金融危機の中にあってデフレスパイラルは加速し事態は一層悪化しつつある状況にある。実質的に戦後初となる本格的政権交代はかかる停滞に大きな変化をもたらすとの期待があり、若き民主党政権の担い手達はある部分期待通りに動き出しているように見える。一方で、この国の方向付けの明確化、それを実現していく実務能力には、私も含め多くが一抹の不安と不確実さを感じているのも事実である。このような状況の中で、言論NPOの果たす役割は一層重要になっていくと確信する。この国にはもはや、試行錯誤をして間違いを繰り返していく余裕は無い。国の方向性、政策に対し今まで以上にしっかりとした理性的(大衆迎合的かつ感情的議論を廃し)議論を行う場の設定、建設的な提案の実施等、まさに大きな時代の転換点に立つ我が国に必要な活動を大いに展開していただくことを期待したい。


蓑田 秀策
株式会社KKRジャパン 代表取締役社長


昭和49年一橋大学経済学部卒業。同年日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)入行。ニューヨーク、ロンドン勤務を経て、平成16年常務執行役員就任。シンジケーションユニット・グローバル投資銀行ユニットを統括し、経営会議メンバー、コンプライアンスグループ統括役員も務める。平成19年KKRジャパン入社。現在、同社代表取締役社長。