西沢 和彦

西沢 和彦氏発言

コンテンツの作り手としても期待

 2007年の参議院選挙に向けた21世紀臨調主催のマニフェスト検証大会で、トップバッターに立った工藤さんは開口一番「マニフェストを書き直して下さい」と言ったのが大変印象に残っている。マニフェスト作成側と評価者側にはこうした緊張関係が不可欠だ。そうした強い意識を持っているのが言論NPOだ。言論NPOは、工藤さんという大変すぐれたエディターをコアとする「媒体」というのが私の認識だ。ただ、今後は、「媒体」にとどまるのではなく、コンテンツそのものも積極的に作っていって欲しいとのいうのが私の期待だ。というのも、学者、政治家、経済人など多くのコンテンツ発信者が工藤さんの志や人柄に引かれて集まってくるが、そうした人はまた離れてもいく可能性もある。また、集まってきてくれたとしても、その人の質が劣化していることもあるだろう。それでは、言論NPOの政策評価の継続性、専門性、客観性が保てないからだ。

西沢 和彦
株式会社日本総合研究所 調査部主任研究員