冨家 友道

冨家友道氏発言

言論NPOに期待するもの

―ここから新しい日本を

 政権交代で新たな日本が切り開かれるかという期待もむなしく政治は混迷を極めている。一方で、世界的な金融危機について、当初は本邦は軽微な影響に止まるとされていたが、実際には深刻な不況に見舞われることとなった。わが国は極めて深刻な2つの危機、政治危機と経済危機に直面していると考えるのが適切である。その克服には、55年体制以来の政治体制の基本的再構築が必要であり、また経済危機に対しは課題先進国として全ての先進国が今後見習うべき新たな社会システムの設計が必要と考えられる。これら2つは、価値観と言う根幹で密接につながっているものと考える。

 政権交代以来の状況を見れば、こうした国民若しくは全世界の市民の立場としてこうした課題について議論をし答えを出して行くためには、古い政治のしがらみにまみれ、特定の有力者の顔色を見ながらしか議論出来ないいつもの場所ではなく、開かれた、全ての人が同じグランドで参加できる言論NPOこそが正統な議論の場であることに気がつく。 ここから新しい日本を。


冨家 友道
みずほ証券株式会社 IT本部 本部長代理 BCP室長兼総合企画部IT戦略室長


 1956年東京生まれ。東京大学教養学部卒。埼玉大学客員教授、上武大学客員教授。アンダーセンコンサルティング金融インダストリー部門パートナー、金融監督庁参事、アーサーアンダーセンパートナー等を経て現職。