言論NPOの工藤です
今日は、10回目の「エクセレントNPO」大賞の授賞式に多くの人にきていただき、ありがとうございます。
主催者として、感謝の言葉をお伝えしたいと思います。
11年前、私たちがエクセレントなNPOを目指そうと提起したのは、課題解決に挑む新しい動きを市民社会に起こそうと考えたからです。
この「エクセレントNPO」という言葉は、私が、当時作ったものです。
当時の企業社会で話題になっていたエクセレントカンパニーを目指す問題提起に非営利の世界も対抗したい、との思いがありました。
私には自分の利益を超えて多くの人にために取り組む非営利の取り組みこそ、エクセレントだという強い思いがあったのです。
そして、それから10年、私たちに今、問われていることは、より大きなものです。
戦争で多くの市民が亡くなっているのに、国際社会は力を合わせて戦争を止められないでいます。
この瞬間も世界で山火事があり、気候変動は食料の危機や異常気象に繋がり、多くの人が難民化しています。
世界は協力でしか、未来は描けないのに、世界が力を合わせられないのは、国家間の対立からであり、世界はむしろ、分断の危機にあるからです。
そして、私たちも、安全地帯にいるのではありません。
この状況をどう乗り越えるのか。我々、自身に問われているのです。
私の答えは、10年前も今も全く変わっていません。
市民は、強くならなくてはならない、ということです。
そして、突き付けられた課題は、それがどんな球でも、打ち返さなくてはならない、ということです。
この間、世界の企業の評価は大きく変わり始めています。利益を出す企業がいい企業ではありません。
多くの危機にある世界の持続性や、人権や女性の尊重など多様な価値を踏まえて社会に貢献できる企業こそが、エクセレントなカンパニーなのです。
そして、世界ではそうした企業に向け、膨大な資金が動こうとしています。
では、この歴史的な局面で、我々非営利セクターに何を問われているのか。そういう議論を、今こそ始めなくてはなりません。
今回のエクセレント大賞には、85団体に応募していただきました。
今日はその中からそれぞれの賞にエントリーされた、16団体の方に集まっていただいております。
社会の課題に挑む、この賞に多くの皆さんが応募しくださる環境こそが、私たちの未来への希望なのです。
私はこの賞の舞台が、課題に挑む多くに人を繋ぐ舞台にさらに発展することを、心から期待しているのです。
それでは、第10回エクセレント大賞、授賞式を、これより始めさせていただきます。