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ふるた・はじめ
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第5話 危機管理に強い県庁を
就任してから特に強く心がけているのは危機管理に強い県政づくりです。一昨年でいいますと、フェロシルト、三重県の石原産業がつくっていたリサイクル材です。リサイクル製品でいいものだ、三重県も認定したということで、各地で売った。私たちは、ある時期から、これは産業廃棄物ではないのだろうか、と疑い始めました。独自に調べて、環境省と激論して、最後、やっぱり産業廃棄物だということになって、岐阜県として速やかに石原産業に撤去命令を出すとともに同社を告発しました。昨年の不正資金の問題も、組織の危機管理の重大な問題として、真正面から向き合い、スピードと情報公開を旨として、これへの対応に努力しました。
組織を見ていますと、いろいろなところでわけのわからないことが起こる。わけがわからないとか何か都合の悪いことが起こったら、小さなうちに芽をつんでおくことを徹底していきたいと思います。
このため、昨年から、危機管理統括監というポストを知事直轄にして、時々、幹部会で危機管理の具体例を取り上げています。例えば、パロマの対応はどうだとか、瑞浪市のいじめ自殺事件の学校側の危機管理はどうだったとか、雪印乳業や三菱自動車はどうだったか等々。幹部会で、皆でケーススタディーをやっているわけです。あすは我が身、と思って。
たった1回のミスでも行政に対する信用は台なしになってしまう、そういう意味で、都合の悪い情報は早く上げてくれと言っています。私は都合の悪い情報が迅速に報告されて来たときには、その内容如何にかかわらず、怒らないことにしています。
「日本の知事に何が問われているのか」をテーマに、全国の知事にインタビューを続行中です。
現在の発言者は古田岐阜県知事です。