「成立目前、休眠口座活用法の実態とは」有識者アンケート

2015年7月31日

問2.日本では、預金者が名乗り上げないまま10年以上放置された休眠預金が、毎年約850億円ともいわれています。今回の法案は、こうした休眠預金を預金保険機構に移管し、国家予算ではなく、民間の公益活動事業に活用する方針を民間の公益活動に役立てるために活用する方針です。あなたは、同法案に賛成ですか、反対ですか。【単数回答】


「1.賛成である」と回答した方の理由

  • 無駄な資金の有効活用。 (男、50代、企業経営者・幹部)
  • 銀行の雑益となるよりは、はるかに有用な使い道と考える。 なお、問3にも関連するが、本来行政が行うべき施策の肩代わり、補完のような使われ方ではなく、行政ではその性格上なしえない事業を支援していくという理念が前提となる(男、80代以上、各団体関係者)
  • 引き出しの可能性が極めて低い預金であり、国家で管理・運用する方が良いと思料。(男、60代、その他 (具体的に))
  • 休眠預金の活用は理解できる(男、60代、各団体関係者)
  • 公益活動選定の基準、活用結果の評価方法、査定主体と第3者機関の在り方等々、留保はあるが、総論としては好ましい。(男、60代、自営業)
  • 超高齢化時代になれば、放置される預金はさらに増大すると見込まれる。それを有効活用することは理にかなっていると考える。(男、60代、自営業)
  • 国民にとって有用な活用法だと思うので(女、50代、NPO・NGO関係者)


「2.どちらかといえば賛成である」と回答した方の理由

  • 休眠預金を有効に使う必要がある。ただし預金者に預金を返還する体制を強化し休眠預金が生じないようにすることや休眠預金が適切に使われているかを評価することが大切である。(男、70代、自営業)
  • 休眠でないことがはっきりすれば、その方に返金することを条件に活用に賛成。(男、60代、その他 (具体的に))
  • 通告したうえで、一定期間中に本人も相続人も名乗り出ないときは所有権放棄とみなす、ということでよいと思う。福祉のために有効活用すべき。(女、50代、その他 (具体的に))
  • 銀行の処理が煩雑になるのは理解できるから。(男、50代、その他 (具体的に))
  • 特に理由はない(女、80代以上、NPO・NGO関係者)
  • 現在、事実上、銀行が自らの為に有利に用いている事を、銀行の公益性の有名事実である現状を考えると、法案の趣旨を公益性に貢献するのではとの期待をする立場から。(男、50代、その他 (具体的に))
  • 預金は、納税者による信用補完という公的保証によって、預金保険制度により保護されているものである。したがって、預金者からの払い戻し請求が時効にかかったからといって、それが銀行の利益に自動的に計上されて当然というものではない。したがって、これを預金者保護の担当機関である預金保険機構の管理下に置き、公益的活動に役立てることは理に適っている。 ただし、預金者から請求があれば時効に関係なく払い戻すことは、預金に対する国民の信頼、ひいては金融システムの信認にかかわることから、必須。あわせて、金融機関の利益にならないよう公的に運用することにするのであれば、払い戻しの管理も含め、休眠預金の管理費用については、従来の各行負担から国家負担にすべて移行することが不可欠。(男、60代、会社員)
  • 10年間も移動なく眠ったままのお金は名義人が活用の意思がないと、みるべき。社会的に活用した方がいい。「金は天下の回りもの」というのだから。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 「公益活動に使う」という志はよいと思う。(男、40代、メディア関係者)
  • 10年も何も連絡がないなら、いいと思うが 、一定の条件を満たすべきと思います。(男、60代、各団体関係者)
  • 引き出される分をちゃんと引き当てておくなら、ローリスクな範疇なら多少の運用は構わないのでは?(男、30代、メディア関係者)


「3.どちらともいえない」と回答した方の理由

  • 問題がある。活用先が信用できない。(男、60代、会社員)
  • 明確な理論的根拠が無い(男、60代、会社員)
  • 良い面と悪い面が考えられるため法案の内容をよく知りたい。(男、30代、企業経営者・幹部)
  • 全体の趣旨に賛成だとしても、「10年」が、適当かどうか。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 休眠口座を抱えている銀行が、先ず当該口座名義人とか遺族など関係者を探し、確認すべきであると考える。銀行ができなければ、自治体で確認作業を行う方法を考えるべきではないでしょうか。その確認作業ができない場合のみ、活用しては如何でしょうか。(男、70代、NPO・NGO関係者)
  • 上記休眠口座定義中、「本人の所在が確認できない」とあるがそのことをもって、民法上所有権を放棄したとみなすことができるのか?が不明 また、そもそも国民が休眠口座という概念を知っていたかが疑問。(男、50代、その他 (具体的に))
  • 内容が良く分からない(男、60代、学者・研究者)
  • 具体的な活用方法、急な預金者からの引き出し要求があった際に対応できるのかなど不明確な点も多く、現時点では判断できない。(男、40代、各団体関係者)
  • 私自身の経験で母の預金口座のカード、通帳が見つからない時に引き出しができなかった。 少額なら諦めてしまう。 死亡して預金のみが残っている時は通常、親戚に知らせる義務はないのか? また、行方不明も場合のみに適用されるか、どうもはっきりしない。 預金したまま死んでしまった方のお金の有効利用は賛成だけど、いま一つはっきりしない法案だ。(男、60代、自営業)
  • さわぐほどのことなのか。この金額でまさかどこかに利権が生じたりしないのか。これらのことがあまりマスコミでは取り上げられていない、というか、そもそも安保法案の話ばかりでこちらは何も明確でない。(男、60代、その他 (具体的に))


「4.どちらかといえば反対である」と回答した方の理由

  • 銀行に残るのではなく、公益活動への利用は前進ではあるが、民間公益活動では使途が曖昧になりかねない。国家予算に組み入れた方が、透明性が出ると思う。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 個人財産と国家財産は区別すべきである。(60代、各団体関係者)
  • 活用は賛成であるが、民間の公益活動事業に直接流用には反対。資金を運用し、利益を事業に使うことを考える。ほとんど預金者からの請求はないと思うが、あった場合、返済をできる仕組みがいる。マイナンバー制度で預金にマイナンバーが紐付けされると今後休眠預金は発生しなくなる。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 金銭の流れも責任の所在も明確にならず、誰も責任を取らないままにお金だけが使われていく恐れがあるように思われるので。(男、30代、学者・研究者)
  • 放置されていたとしても個人資産であり10年では短いと感じるから。(男、50代、自営業)


「5.反対である」と回答した方の理由

  • 本法案が甚だ不十分であるから。具体的には、資金配分団体のガバナンスやコンプライアンスが記されておらず、利益相反などごく基本的な事項に関する記載もない。一部の関係者のみで進められており、肝心の預金者の意見が反映されていないようにみえる。(女、50代、学者・研究者)
  • 個人の財産は、個人に返却されるベキものであり、事業者が返還先をトレースできる仕組みを充実する義務を負うベキものと考えます。勝手に収奪の手続きを定めるのは個人の財産権を侵すものとおもいます。マイナンバー制度がスタートすれば、事業者によるトレーサビリティ(行政との連携が必要かも知れませんが)が向上するのではないかと考えると、現時点でのこのような法案の提出は、駆け込み収奪法案の様にも見えてしまいます。(男、60代、会社員)
  • 所属の金融機関に戻すべき(男、60代、企業経営者・幹部)
  • 10年は短すぎる。年配者が持っていて、放っておいても、他人に取り上げる権利はないと思います。(男、50代、会社員)
  • 放置期間を10年間では短い。その倍の20年がよい。(男、70代、NPO・NGO関係者)
  • 基本的に財産権の侵害であるほか使途についての裁量等目に余る暴挙。(男、50代、会社員)
  • 本来返すべき人に返すべきであります。国民から選ばれていないNPOなどが使うのは納得が得られないと思う。(男、40代、メディア関係者)
  • 10年程度の入出金がないのはあり得る。休眠の期間は20年以上が必要と思う。(女、60代、NPO・NGO関係者)
  • 民間金融機関の利益と認識すべき(男、50代、国家公務員)


「6.わからない」と回答した方の理由

  • 「預金者が名乗り上げないまま10年以上放置された休眠預金が、毎年約850億円」というものが、どうものなのかが、わからない。それを勝手に」使って、公益活動考えたことがない。単純に考えれば賛成ですが、そのことによるマイナス効果がわからない。(男、80代以上、その他 (具体的に))


問4.同法案では、預金保険機構に収納された休眠預金を主務大臣が指定する指定活用団体に移管し、指定活用団体から助成機関や金融機関に委託をし、これらの受託機関から民間公益活動に従事する団体に配分あるいか貸付がなされることを想定しています。あなたは、こうした管理・運営体制が機能すると思いますか。


「1.機能すると思う」と回答した方の理由

  • 安倍政権は立派な政府だから。(男、50代、企業経営者・幹部)
  • 色々留意すべき点はあるが、以下のようなことが確保できれば十分機能的にワークすると思う。 1指定活用団体について 政治家・役人の影響力を遮断した純粋の民間団体とすること 2 助成機関 助成機関を公募で選定し、その際選定基準として地域的といういわば横糸と全国的に俯瞰できる専門性といういわば縦糸をバランスよく考慮すること なお、本件については私の勤務する公益法人協会ではパブリックコメントとして意見を表明してHPに公開しているので、参考にしていただきたい。(男、80代以上、各団体関係者)
  • ソーシャルビジネスが日本でも動き出しているのと、クラウドファンドなどへの寄付や関心も高まっているため。(女、50代、NPO・NGO関係者)
  • 機能してもらわなければ困る。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 取り上げるのだから、法に従って粛々とお金の運用がなされる。では、本人又は親戚が返還を求めるときの条文も完備すべきだ。(男、60代、自営業)


「2.どちらともいえない」と回答した方の理由

  • 管理・運営体制が具体性に欠けている。(男、70代、自営業)
  • 政権の人気取りを狙った所謂バラマキに使うのではなく、国家の将来を見据えた活用が出来る管理・運営体制の構築を期待したい。政権の恣意を排除する為には、政治家以外による有識者委員会に運営を委託することが望ましい。(男、60代、その他 (具体的に))
  • 理論的根拠薄弱のままでは利益を得ようとする団体が割拠する可能性が大(男、60代、会社員)
  • 機能するかどうかはその組織の能力次第。預金保険機構、受託機関の連携がスムースに行くかどうかによる。(女、50代、その他 (具体的に))
  • 公益活動自体に曖昧な運営・管理がなされているケースがあるから。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 外郭団体の法的背景、組織が不明なため。(男、70代、NPO・NGO関係者)
  • 金融機関への預金であり、金融機関に責任を持たせた仕組みというのは出来ないのか?(男、60代、学者・研究者)
  • 年金のことなどもあり、それほど期待していない。(男、50代、その他 (具体的に))
  • 休眠預金の活用先が「公益活動事業」であるといっても、預金の運用という金融機能から見れば、それは単なる「慈善事業」であってはならないし、経済に効率的に付加価値を産み出す性格のものでなければならない。「指定活用団体」なるものがその点についてどれほどの判断能力を持つのか、判断の透明性や責任の所在はどうなのか、など、詰めるべき点は多い。(男、60代、会社員)
  • 指定活用団体なるものがどういった性格のものになるのか、いまひとつイメージできない。(男、40代、メディア関係者)
  • 天下り役人の餌食になるのが心配。透明性が求められる。(男、60代、各団体関係者)


「3.機能しないと思う」

  • 指定活用団体も公務員の天下り先ではないか。機能することは難しい。(男、60代、企業経営者・幹部)
  • 監督官庁が信用できない。(男、60代、会社員)
  • もう少しシンプルにしなければ様々な弊害が出ると思う。(男、30代、企業経営者・幹部)
  • 指定活用団体にかかるガバナンス、コンプライアンスの規定が法律案に記されていない。特定の団体が恣意的に運営できてしまう構造となっている。また、運用益を指摘特定団体が無制限に活用できることになっているが、それもおかしな話である。(女、50代、学者・研究者)
  • 「指定活用団体」を誰が、どのような基準で指定するのかが、省令・通達など官僚のさじ加減で決まる可能性、或は、利益関係者の誘導で歪められてしまう恐れがある。(男、60代、自営業)
  • 「指定活用団体」が理想的な機能を発揮することは期待できない。人材の問題が大きい。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 実際に事業を行う男台に資金が渡るまでのプロセスが多く、そこに経費のロス、運営上のミスが発生するリスクが大きい。(男、50代、その他 (具体的に))
  • 上記の「指定活用団体」は、行政の再就職先になって、資金の活用先の相当な額が元官僚の退職金に流れるだけだと思います。(男、60代、会社員)
  • ばら撒き・紐付きなどを心配するのは当然だろう。(男、50代、その他 (具体的に))
  • 運営が硬直化、利権化し、運用にかかる人件費、天下り、またこの資金をあてにしたビジネスが発生して効率が悪い。無駄使いが発生するリスクは高い。(男、70代、その他 (具体的に))
  • 責任の所在が明確でなく、癒着や汚職の温床となるだけのように思われるから。(男、30代、学者・研究者)
  • 基準がないから(男、60代、企業経営者・幹部)
  • ひ孫請けまで行ってやっと活用されるということだが中間搾取が多すぎる。良く分からない天下りの団体が増えることで複雑な利害関係が生まれるわけでコントロール不能となるのでは?特定な活用ではなく国庫に入れる方が良いのではないだろうか。(男、50代、自営業)
  • 公務員が、正しく運営できるはずがないから。(男、50代、会社員)
  • 何を基準に配分するかなどの透明性が欠けている。(男、50代、会社員)
  • こういう機関がまともに回った試しがない(男、30代、メディア関係者)
  • 声の大きな、あるいは行政と距離の近い団体に資金が流れるのが目に見える。(男、40代、メディア関係者)


「4.わからない」と回答した方の理由

  • お金の活用方法にはかなりの工夫が必要。(男、60代、その他 (具体的に))
  • 管理・運営体制が具体化しないと何ともいえない。官僚の天下り機関になるかもしれない。(男、60代、自営業)
  • 具体的運用方法が明示されない以上、判断ができない。(男、40代、各団体関係者)
  • 別にほかに良い方法が浮かばない。問題はルートでなく運用が公明に簡素に行うことが必要(男、80代以上、その他 (具体的に))
  • 指定団体が天下りで組織されるのではなく純然たる民間での実績のある団体が指定されるのなら意味があると思うが、JSCみたいな法人がまた増えるのなら屋上屋を重ねることにしかならないと危惧する。(男、60代、その他 (具体的に))
  • 何かまた官僚の天下り先の外郭団体がうじゃうじゃ出来そう。政治家が群がることが想像できる。(女、60代、NPO・NGO関係者)
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