「成立目前、休眠口座活用法の実態とは」有識者アンケート

2015年7月31日

議論「成立目前、休眠口座活用法の実態とは」をみる
調査の概要

 言論NPOの活動にこれまで参加していただいた全国の有識者約6000人を対象に、2015年7月28日から1日間の期間でアンケートの回答を依頼し、回答のあった59人の回答内容を分析しました。


回答者の属性

※各属性で示されている数値以外は無回答の割合。この頁以降、数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があります。


有識者レベルでも4割が「休眠預金等資金活用法案」を「知らなかった」と回答

 まず、「休眠預金等資金活用法案」の存在を知っていたかを尋ねたところ、「知っていた」は57.6%と6割近くいた。しかし、開会中の通常国会で成立目前にもかかわらず、「知らなかった」も40.7%いた。有識者レベルでも「知らなかった」が4割を超えていることを考えると、一般世論における認知度はさらに低いと思われる。

問1. 超党派の国会議員連盟の議員立法による「休眠預金等資金活用法案」が、開会中の通常国会に提出され、成立する見通しとなっています。あなたは、この法案の存在を知っていましたか。【単数回答】 ※休眠預金:銀行など金融機関の口座で長期(10年間)にわたって入出金などの異動がなく、本人の所在が確認できない預金


法案に対して4割超が賛成している

 続いて、この法案に対する賛否を尋ねたところ、「賛成である」(「どちらかといえば」を含む)が44.0%で、「反対である」(「どちらかといえば」を含む)の30.5%を大きく上回った。

問2. 日本では、預金者が名乗り上げないまま10年以上放置された休眠預金が、毎年約850億円ともいわれています。今回の法案は、こうした休眠預金を預金保険機構に移管し、国家予算ではなく、民間の公益活動事業に活用する方針を民間の公益活動に役立てるために活用する方針です。あなたは、同法案に賛成ですか、反対ですか。【単数回答】


「子ども・若者の支援に係る事業」に使うべきと考える有識者は多いが、「現時点では判断できない」も一定数存在している

 同法案では、休眠口座の活用先の具体的事業として、(A)生活困窮者その他日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に係る事業、(B)子ども・若者の支援に係る事業、(C)地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る事業、(D)その他、内閣府令で定める事業、を挙げている。そこで、この4つの事業のうち、特にどの事業に対して重点的に資金配分がなされるべきだと思うかを尋ねた。

 その結果、(B)の「子ども・若者の支援に係る事業」が30.5%で他の3項目を大きく引き離している。ただ、「現時点では判断できない」が23.7%あるなど、判断を保留している有識者も2割程度いる。また、民間公益活動の多様性を踏まえたためか、「上記以外の分野にも資金配分すべきである」も15.3%あった。

問3. 同法案では、休眠口座の活用先の具体的事業として、(A)生活困窮者その他日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に係る事業、(B)子ども・若者の支援に係る事業、(C)地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る事業、(D)その他、内閣府令で定める事業、を挙げています。あなたは、上記4つの事業のうち、特にどの事業に対して重点的に資金配分がなされるべきだと思いますか。【単数回答】


管理・運営体制について4割が「機能しない」と回答

 最後に、休眠預金をめぐる管理・運営体制について尋ねた。同法案では、預金保険機構に収納された休眠預金を主務大臣が指定する指定活用団体に移管し、指定活用団体から助成機関や金融機関に委託をし、これらの受託機関から民間公益活動に従事する団体に配分あるいか貸付がなされることを想定しているが、こうした管理・運営体制が機能すると思うかを尋ねたところ、「機能しないと思う」が37.3%と4割近くに上り、「機能すると思う」の15.3%を大きく上回った。「どちらともいえない」も28.8%と一定数あり、有識者は現時点では管理・運営体制が実効的に機能するという確信を持つに至っていない。

問4. 同法案では、預金保険機構に収納された休眠預金を主務大臣が指定する指定活用団体に移管し、指定活用団体から助成機関や金融機関に委託をし、これらの受託機関から民間公益活動に従事する団体に配分あるいか貸付がなされることを想定しています。あなたは、こうした管理・運営体制が機能すると思いますか。【単数回答】


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