安倍政権実績評価 個別項目の評価結果 【農業】
評価項目 | 評価 | 評価理由 |
農地を農地として維持することに対価を支払う日本型直接支払いの仕組みを法制化する |
2 | ・「経営所得安定対策(旧:戸別所得補償制度)を適切に見直し、あわせて、農林水産業の多面的機能の発揮を図る取組を進め、新たな直接支払制度の創設の検討を行う」旨が、6月14日の日本再興戦略に盛り込まれた。戸別所得補償については、経営所得安定対策として今年度も同様に実施されることとなった。政権交代の時期を考えると、全面的な見直しができなかったこともあり仕方ない面もある。一方で、日本再興戦略において、新たな直接支払制度の創設の検討を行うために予算措置が行われたが、その具体策はこれからであり、その上位概念である日本の農業をどのように進めていくのか、というものが見えない。 ・担い手への農地集積と集約化により、農業構造の改革と生産コストの削減を強力に推進するため、農地の中間的受け皿として都道府県の段階に農地中間管理機構(仮称)を整備する旨が、日本再興戦略で示された。担い手が減り、高齢化が進む中で、行政が農地を集約していく方向性は正しいと考える。しかし、2009年の農地法の改正により、農協が農地を仲介できるようになっている。また、農地中間管理機構は、農地の整備もできるとされているが、土地改良法との関係をどうするのか。方向性としては理解できるもの、既存の制度との整合性をどのようにとるのか、現段階では見えてこない。 |
戸別保証を全面見直し、「担い手総合支援法」を制定、新規就農、経営移譲の円滑化など担い手の育成確保を推進 |
2 | ・戸別所得補償については、経営所得安定対策として今年度も同様に実施されることとなった。政権交代の時期を考えると、全面的な見直しができなかったこともあり仕方ない面もあるが、名称変更だけであり、全面的な見直しからはほど遠い。 ・競争力ある攻めの農林水産業を掲げているが、それを担うべき強い担い手をどう育成するのか、という点について具体的な提案は見られない。 さらに、担い手の高齢化から、10年後の水田農業が危ぶまれているが、新規就農支援に触れている「担い手総合支援新法」についても、議論は始まっていない。但し、農地集積協力金、青年就農給付金によって、新規の就農者が増えている。しかし、この青年就農給付金も民主党政権時代のものが継続しているものである。また、担い手をどのように育て、今後の農業政策を進めていくのか、全体的な設計が全く見えない。 ・6月14日の日本再興戦略において、新規就農し定着する農業者を倍増し、10 年後に40 代以下の農業従事者を約20万人から約40万人に拡大する旨が示された。しかし、前述同様、今後の農業政策の全体像が示されていないので現時点で評価できない。 |
判断基準
1点:未着手、または断念 2点:着手したが、実現の展望がなかったり、既に修正が行われているにもかかわらず、 そのことが国民に説明されていない 3点:着手し、予定通り進んでいないが、一定の成果を上げている 4点:着手し、予定通り進んでいるが、目標を達成できるかは現時点では判断できない 5点:着手し、予定通り進んでおり、実現の方向に向かっている各分野の点数一覧
安倍政権通信簿は2.8点(5点満点)
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