安倍政権実績評価 個別項目の評価結果 【復興】
評価項目 | 評価 | 評価理由 |
復興計画を総点検し、必要な財源を確保し、復興予算の適切で迅速な執行に努める。 |
4 | ・予算確保は十分にできている点は評価できる。しかし、同時に訴えている予算の「迅速な執行」については、復興交付金を得ても、使える範囲がかなり限られている。 また、震災という緊急事態に陥っているにもかかわらず、平時の法律によって、ルールや規制が厳しく、せっかく確保できた予算の運用の柔軟性やスピード感に直結していないことは、マイナス評価とならざるをえない。 |
被災地での復旧や復興に必要なマンパワーの確保やそのための枠組み作りを進める |
4 | 復旧段階の一般ボランティアに代わる、復興現場での試行錯誤的な業務に取り組む実務的なスキルを有するマンパワーは規模の小さい自治体ほど不足している。そこで、知事会の呼びかけや、市長会の横のつながりを利用し、民主党政権に比べて、被災自治体が必要としている人材のミスマッチは、一定程度解消されてきた。この点は評価できる。 |
復興庁を機能させ、体制を強化すると同時に必要な復興交付金を確保と柔軟な運用を進める |
4 | 復興庁の体制強化や交付金の運用等について徐々に改善されているが、現場からの要請や現場の不満等に対し後手に回っている。また、国土強靭化計画により、全国的に耐震強化やインフラ強化をすることなどが掲げられているが、今のルールで全国的に展開すると業者や資源が足りなくなり、被災地の復興が遅れる可能性もあるため、国土強靭化と復興との関連性、優先順位なども含めて、さらなる復興庁を機能させていく必要がある。 |
がれき処理は広域処理のあり方の見直しも含め、抜本的に強化し、早期完了を目指す |
3.5 | 岩手県、宮城県でようやく約半分の処理が終わったが福島県は見通しが立たない |
被災地の農業水産業やグループ補助金の拡充等の事業再建や二重ローン対策等の生活再建に取り組みます。 |
4 | 制度は立ち上がり、動き始めている。しかし、グループ補助金制度は単年の制度であるから、被災の大きかった地域では、市街地が形成できる状況ではない。そういう状況の中で、区画整理事業を行い、工場や店を再建したいというときに、本制度があるかどうかはわからない。短期的なスパンに加えて、長期的なスパンで被災者を支援していくという制度に改善する必要がある。 |
世界のフロントランナーになる防災、エネルギー研究等の国家プロジェクトに被災地で取り組みます |
2 | 復興のためのプロジェクト構想段階であり、国も研究者レベルの活動支援という認識 |
被災者の帰還を実現するため除染を加速させる。そのため除染の目標値を明らかにし、除染の技術を確立し、着実に実施できる体制を講じます。 |
2 | 目標値については国側が明確に示していない。そもそも、除染の目標値というよりも、被爆の基準値の基準があいまいなまま、除染基準は決めることができない。現状どちらもあいまいであり、評価できない。 また、本格除染は始まったばかりであり、除染効果や居住可能性等住民に対する説明も十分とはいえない。 |
福島第一原発の廃炉は国が主導的な役割でより早く、安全、着実に進めます |
2 | この1年間で進捗を評価することは難しいが、原因が解明されていない段階で、工程表の前倒しを示されたところで、絵に描いた餅であり、地元に対する説明は不足している。 |
国土強靭化基本法や「首都直下型」と「南海トラフ」地震の措置法を制定し、基本法に基づいた徹底した事前防災や減災対策に取り組みます。 |
3 | 法案が審議未了であり、法に基づく対策は今後の課題 |
三大都市圏の都市機能を守るため、液状化対策、老朽化した上下水道対策などの「都市防災」を強力に進めると同時に多極分散の考え方の下、首都機能の確保強靭化と、バックアップと行政機能の分散化、本社機能などの地方移転を促進します。 |
3 | 国土強靭化法、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法などが制定されておらず目立った動きはない。 |
地方出先機関の広域災害対応力の一層の強化と国と地方のあり方と道州制の議論を整理します。 |
3 | 「道州制基本法案」の国会提出の動きがあるが具体的な制度設計はこれから。 |
学校、公共施設、民間建築物の耐震化加速など、社会資本の前倒し整備します。 |
4 | 公立学校など公共施設の耐震化は進んでいるが、既存の民間建築物についての普及が課題。 |
判断基準
1点:未着手、または断念 2点:着手したが、実現の展望がなかったり、既に修正が行われているにもかかわらず、 そのことが国民に説明されていない 3点:着手し、予定通り進んでいないが、一定の成果を上げている 4点:着手し、予定通り進んでいるが、目標を達成できるかは現時点では判断できない 5点:着手し、予定通り進んでおり、実現の方向に向かっている各分野の点数一覧
安倍政権通信簿は2.8点(5点満点)
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