非営利シンクタンク言論NPO(東京都中央区、代表:工藤泰志)は、2017年1月20日に発足したトランプ政権が、この7月20日で半年の節目を迎えるのを前に、トランプ政権や日米関係に関する緊急世論調査を行い、その結果を公表いたします。今回の調査は、日本全国の18歳以上の男女を対象に6月17日から7月2日まで、訪問留置回収法により実施し、1000人の回答を分析したものです。
報道関係者の皆様には、この調査結果をぜひご報道いただきたく、お願い申し上げます。なお、詳細な調査結果は言論NPOのウェブサイトにて公開しております。
国民の半数はアメリカへの信頼は減少し、6割近くが今後の日米関係に不安が高まっていると回答
発足から半年を迎えるトランプ大統領の発言や行動によって、アメリカに対する信頼がどのように変化したかを尋ねたところ、国民の半数は「信頼が減少した」(50.8%)と回答しました。一方で「信頼が向上した」との回答は2.0%にとどまり、日本国民の多くはトランプ政権の誕生によって、アメリカへの信頼が減少していることが鮮明になりました。
また、トランプ政権の誕生によって、今後の日米関係にどのような影響を及ぼすかを尋ねたところ、6割近い人が「今後の日米関係に不安が高まっている」(56.9%)と回答しており、多くの日本の国民は今後の日米関係に危機感を抱いていることが分かります。こうした日米関係に対する信頼の減少や、今後の不安は女性や40代以降に相対的に多いこともわかりました。
4割を超す国民が、トランプ政権が国際秩序自体を壊しかねないと懸念
トランプ大統領の行動によって、アメリカがこれまで主導してきた国体秩序にどのような影響を与えるかを尋ねたところ、「アメリカが主導した国際秩序自体を壊しかねない」(44.1%)との回答が最多となりました。
続けて、8つの分野において、今後のアメリカに国際的なリーダーシップを期待できるかを尋ねたところ、「テロ対策」を除く7つの分野において、「期待できない」が、「期待できる」を大きく上回りました。さらに、「国際的な貧富の差や不平等の是正」(75.3%)、「気候変動への対応」(73.5%)、「国際機関や国際条約などの世界的な枠組みづくり」(68.5%)、「世界の自由経済秩序の維持や自由貿易の促進」(66.8%)、「世界における民主主義の促進」(65.8%)、「世界の平和秩序の維持」(64.2%)の6分野については6割を超える国民がアメリカのリーダーシップを「期待しない」と回答しています。
今後の日米関係について、4割を超える国民が疑問を抱いている>
今後の日米関係については、「アメリカとの関係は今後も大事だが、アメリカとの関係だけを重視するのは危険である」(41.3%)との回答が最多となりました。これに対して、「大統領にかかわらず、アメリカとの関係は日本の外交政策の基軸であり、今後も特別な関係として発展させるべきである」(22.0%)との回答は2割でした。また、世界で求められている日本外交の今後の役割については、「日本は過度にアメリカとの同盟関係にこだわるべきではなく、中国も含め様々な大国との関係正常化や協力を考える時期である」(38.1%)との回答が最多のほか、自由な国際経済秩序や多国間での国際協力に日本外交のリーダーシップを求める声が3割近くありました。
世論調査の概要
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担当:言論NPO事務局 宮浦・佐藤