【報道のお願い】言論NPOは本日、中国側主催者である国際出版集団と事前協議を行い、 10月下旬に「第17回 東京-北京フォーラム」をオンラインで開催することで合意しました ~全体テーマは「日中両国は不安定化する世界と国際協調の修復にどう取り組むか」~

2021年6月09日

 非営利シンクタンク言論NPO(東京都中央区、代表:工藤泰志)は6月9日、中国側の主催者である中国国際出版集団(外文局)と事前協議を行い、これまで16回にわたって開催してきた「東京-北京フォーラム」を、10月下旬にテレビ会議にて開催することで合意しました。

米中対立下で中国と真正面から議論できる世界でも唯一の対話

 「東京-北京フォーラム」は米中対立下で世界の今後やアジアの課題を中国と真正面から議論できる世界でも唯一の対話となっており、米国のシンクタンクCSISの昨年の報告書でも「日中最高の公共外交プラットフォーム」と評価されています。

 今回の事前協議もテレビ会議方式で行われ、日本側から「東京-北京フォーラム」の運営委員長である言論NPO代表の工藤泰志の他、同フォーラム実行委員長の明石康氏(国立京都国際会館理事長、元国連事務次長)、同副実行委員長の宮本雄二氏(元駐中大使)等6氏が、中国側からは、同フォーラムの指導委員会委員兼執行委員会主任の杜占元氏(中国外文局長)、同指導委員会委員の程永華氏(前駐日大使)等6氏の12人が参加しました。

 今回の「第17回東京-北京フォーラム」は「日中両国は不安定化する世界と国際協調の修復にどう取り組むか」を全体テーマに、まさに米中対立下で不安定化する政治、安全保障、経済、デジタル競争だけではなく、修復が期待される世界課題の国際協調なども含めた7つの分科会に100人近い両国の有力者や専門家が参加することになります。

 日程については、近日中に確定することになりますが、報道関係者の皆様には、ぜひとも今年の「第17回 東京-北京フォーラム」をご取材いただければ幸いです。詳細につきましては、改めてご連絡いたします。

6月9日開催の事前協議にて決まったことは以下の通り

  • 10月下旬の2日間、オンラインで「第17回 東京-北京フォーラム」を開催する
  • 分科会は、これまでの政治・外交、安全保障、経済、メディア、デジタル技術に加え、国際協調、さらに日中の世論調査の分析に関する分科会を加えた7つの分科会を行う
  • フォーラムは原則公開し、インターネットで中継する
  • 世界で唯一の世論調査である中国と日本の世論調査を10月中旬に世界に公表する
  • 分科会での議論を踏まえ、最終的にコンセンサスを公表する

事前協議参加者

【日本側】 明石康(「東京-北京フォーラム」指導委員長、元国連事務次長)
宮本雄二(「東京-北京フォーラム」副指導委員長、元駐中大使)
山口廣秀(「東京-北京フォーラム」指導委員長、元日本銀行副総裁)
木寺昌人(「東京-北京フォーラム」副指導委員長、元駐中大使)
森浩生(「東京-北京フォーラム」副指導委員長、森ビル株式会社取締役副社長執行役員)
工藤泰志(「東京-北京フォーラム」執行委員長、言論NPO代表)

【中国側】
杜占元(「東京-北京フォーラム」中国側指導委員会委員兼執行委員会主任、中国外文局局長)
程永華(「東京-北京フォーラム」中国側指導委員会委員、前駐日大使)
魏建国(「東京-北京フォーラム」中国側指導委員会委員、中国国際経済交流センター副理事長、元商務部副部長)
姚雲竹(「東京-北京フォーラム」中国側 執行委員会委員、人民解放軍軍事科学院国家ハイエンドシンクタンク学術委員会委員)
揚伯江(「東京-北京フォーラム」中国側執行委員会委員、中国社会科学院日本研究所所長)
高岸明(「東京-北京フォーラム」中国側執行委員会委員副主任兼秘書長、中国外文局副局長)


【東京-北京フォーラムとは】

 「東京-北京フォーラム」は、日中関係が悪化し、反日デモが激しくなる200年、立ち上がりました。それから16年、このフォーラムは両国の困難や障害を乗り越える民間対話、あるいは民間外交の舞台として、日中両国の政府間外交が停止している中でも一度も途切れることなく、毎年、東京と北京を舞台に開催してきました。第2回フォーラム(2006年)では、安倍晋三官房長官(当時)が日中関係の重要性を強調し、その2ヵ月後の、首相としての電撃訪中と首脳会談の実現に決定的な役割を果たしました。第9回フォーラム(2013年)では、日本が尖閣諸島を国有化し、尖閣問題で両国関係が最悪の状況に陥る中、両国の民間レベルで「不戦の誓い」に合意し、第14回フォーラム(2017年)では、日中間で「平和宣言」を採択し、不戦・反覇権を軸とした多国間の平和メカニズム構築に向けた議論を、北東アジア地域で開始することを合意しました。これを踏まえて、この米中対立下で、米国と中国が出席する4カ国の「アジア平和会議」を2020年1月に創設しました。


【言論NPOとは】

 言論NPOは、「健全な社会には、当事者意識を持った議論や、未来に向かう真剣な議論の舞台が必要」との思いから、2001年に設立された、独立、中立、非営利のネットワーク型シンクタンクです。2012年から米国外交問題評議会が主催する世界25ヵ国のシンクタンク会議に日本を代表して参加し、世界の課題に対する日本の主張を発信しています。このほか、国内では毎年政権の実績評価の実施や選挙時の主要政党の公約評価、日本やアジアの民主主義のあり方を考える議論や、北東アジアの平和構築に向けた民間対話などに取り組んでいます。