全体テーマは
日中国交正常化50周年で考える
~世界の平和、国際協調の修復と日中関係の未来~
非営利シンクタンク言論NPO(東京都中央区、代表:工藤泰志)は5月25日、第2回実行委員会を開き、今年の「東京-北京フォーラム」は、「世界の平和、国際協調の修復と日中関係の未来」を全体テーマに、2022年9月26・27日の2日間にわたり、政治外交や安全保障など6つの分科会と2つの特別セッションを、テレビ会議を中心に開催することを全員で了承しました。
これは、5月23日に行われた、中国側の主催者である中国国際伝播集団(中国外文局)との事前協議に基づいた決定です。
緊迫する世界情勢の中で中国と真正面から議論を行う世界唯一の対話の場
「東京-北京フォーラム」は中国と真正面から議論できる世界で唯一の対話となっています。今回は、ロシアによるウクライナ侵攻や、深刻化する米中対立を受けてますます緊迫する世界情勢の下で、世界の平和や分断化する世界における国際協調の修復をテーマに、今年国交正常化50周年を迎える日中関係の今後を考える、極めて重要な民間の対話となります。こうしたテーマを設定したのは、分断化する世界の中でこの分断をこれ以上悪化させずに、今後の世界の平和秩序を考えるため、中国の行動は極めて重要であり、そうした中国との対話が非常に重要な局面であるとの認識によるものです。
全体テーマは「世界の平和、国際協調の修復と日中関係の未来」に8分科会を設置
実行委員会には、実行委員長の武藤敏郎氏(株式会社大和総研名誉理事)、同副実行委員長の宮本雄二氏(元駐中大使)、同副実行委員長の山口廣秀氏(日興リサーチセンター株式会社理事長)、運営の責任者である言論NPO代表の工藤泰志のほか、外交や安全保障、経済などの専門家による実行委員22氏が出席し、今回のフォーラムの目的や、政治・外交、安全保障、経済、メディア、デジタル、平和秩序の6分科会と世論調査、青年対話の2つの特別セッションを置くこと、さらに、日中国交正常化50周年の節目にこれまでの日中関係を総括し、世界やアジアの平和に両国が対応するために何が必要か、今後の日中関係のあるべき方向性について議論して合意をめざし、両国で共同宣言をまとめて世界に発表することにも合意しました。
これらの内容は5月23日に行われた、中国側の指導委員会幹部との事前協議の中で合意しており、日中国交正常化50周年における、第18回目の「東京―北京フォーラム」の概要が決定し、4か月後の開催に向けて準備が始まることになります。
報道関係者の皆様には、ぜひとも今年の「第18回 東京-北京フォーラム」をご取材いただければ幸いです。詳細につきましては、改めてご連絡いたします。
中国側指導委員会との事前協議はテレビ会議方式で行われ、日本側から工藤泰志、武藤敏郎氏、河野克俊氏(前自衛隊統合幕僚長)、神保謙氏(慶應義塾大学総合政策学部教授)等7人、中国側からは、同フォーラムの指導委員会委員兼執行委員会主任の杜占元氏(中国外文局局長)、同指導委員会委員の程永華氏(前駐日大使)等6氏の13人が参加しました。
事前協議および実行委員会での決定事項は以下の通り
- 9月26・27日の2日間、オンラインを中心に「第18回 東京-北京フォーラム」を開催する
- 分科会は、常設の政治・外交、安全保障、経済、メディア、デジタルに加え、平和秩序、日中世論調査の分析に関する分科会、青年対話を加えた8つのセッションを行う方向
- 分科会での議論を踏まえ、最終的に共同声明を公表する
- 両国関係や地域の課題に対する日中両国民の認識を18年間調査している世界で唯一の世論調査である、日中共同世論調査結果を9月中旬に世界に公表する
事前協議参加者
【日本側】
武藤敏郎(同フォーラム実行委員長、株式会社大和総研名誉理事)
宮本雄二(同フォーラム副実行委員長、元駐中大使)
山口廣秀(同フォーラム副実行委員長、元日銀副総裁)
河合正弘(同フォーラム実行委員、公益財団法人環日本海経済研究所代表理事・所長)
神保謙(同フォーラム実行委員、慶應義塾大学総合政策学部教授)
河野克俊(同フォーラム実行委員 、前自衛隊統合幕僚長)
工藤泰志(同フォーラム執行委員長、言論NPO代表)
【中国側】
杜占元(同フォーラム中国側指導委員会委員兼執行委員会主任、中国外文局局長)
程永華(同フォーラム中国側指導委員会委員、前駐日大使)
姚雲竹(同フォーラム中国側執行委員会委員、人民解放軍軍事科学院国家ハイエンドシンクタンク学術委員会委員)
楊伯江(同フォーラム中国側執行委員会委員、中国社会科学院日本研究所所長)
張燕生(同フォーラム中国側執行委員会委員、国家発展・改革委員会学術委員会研究員)
高岸明(同フォーラム中国側執行委員会委員副主任兼秘書長、中国外文局副局長)
【東京-北京フォーラムとは】
「東京-北京フォーラム」は、日中関係が悪化し、反日デモが激しくなる2005年に立ち上がりました。それから16年、このフォーラムは両国の困難や障害を乗り越える民間対話、あるいは民間外交の舞台として、日中両国の政府間外交が停止している中でも一度も途切れることなく、毎年、東京と北京を舞台に開催してきました。第2回フォーラム(2006年)では、安倍晋三官房長官(当時)が日中関係の重要性を強調し、その2ヵ月後の、首相としての電撃訪中と首脳会談の実現に決定的な役割を果たしました。第9回フォーラム(2013年)では、日本が尖閣諸島を国有化し、尖閣問題で両国関係が最悪の状況に陥る中、両国の民間レベルで「不戦の誓い」に合意。第14回フォーラム(2017年)では、日中間で「平和宣言」を採択し、不戦・反覇権を軸とした多国間の平和メカニズム構築に向けた議論を、北東アジア地域で開始することを合意しました。これを踏まえて、この米中対立下で、米国と中国が参加する4カ国の「アジア平和会議」を2020年1月に創設しました。
【言論NPOとは】
言論NPOは、「健全な社会には、当事者意識を持った議論や、未来に向かう真剣な議論の舞台が必要」との思いから、2001年に設立された、独立、中立、非営利のネットワーク型シンクタンクです。2012年から米国外交問題評議会が主催する世界25ヵ国のシンクタンク会議に日本を代表して参加し、世界の課題に対する日本の主張を発信しています。このほか、国内では政権の実績評価の実施や選挙時の主要政党の公約評価、日本やアジアの民主主義のあり方を考える議論や、北東アジアの平和構築に向けた民間対話などに取り組んでいます。