言論NPOは日中国交正常化50周年に関する世論調査結果を公表しました日中国交正常化50周年を知らない日本人が7割近くとなり 日中平和友好条約に懐疑的な見方が4割を超える 一方で、両国首脳の相互訪問には前向きな見方を示す

2022年9月21日

 非営利シンクタンク言論NPO(東京都中央区、代表:工藤泰志)は9月21日、9月29日に日中国交正常化50周年を迎えるにあたり、日中国交正常化50周年に関して7月中旬から8月中旬に実施した世論調査結果を公表しました。

 その結果、日中国交正常化50周年を「知らない」日本人が7割近くとなり、50周年現在の日中関係について4割を超える人が「不満」と感じていることが明らかになりました。さらに、日中平和友好条約について「あまり機能していない」、「既に形骸化している」と懐疑的な見方が4割を超えました。

 一方で、国交正常化50周年を踏まえた日中首脳の相互訪問については、「なるべく早く実施」、「感染拡大が収束してから行う」と前向きな見方を示しました。

 報道関係者の皆様には、この調査結果をぜひご報道いただきたく、お願い申し上げます。また、当代表・工藤へのインタビューなどのご要請がありましたら、積極的に対応させて頂きます。

 なお、18回目の日中共同世論調査結果は、11月中旬頃の公開を予定しています。

  • 日中国交正常化50周年を迎えることについて、日本人の約7割は「知らない」(67.1%)と回答し、「知っている」(32.6%)は3割にとどまる。
  • 日中国交正常化50周年現在の日中関係について「満足」と感じている人はわずか6.1%となり、4割の人が「不満」を感じており、その理由として「現状の両国の政治的な関係が友好でないから」(40.3%)が最多となり、「国交正常化時に期待された両国の協力によるこの地域の平和と安定が、未だに実現していない」(30.8%)が続く。
  • 日中平和友好条約が「機能している」とする日本人は8.3%に過ぎず、「あまり機能していない」(29.8%)、「既に形骸化している」(18.4%)を合わせると48.2%が懐疑的な見方を示している。さらに、「そうした条約があること自体、知らなかった」(14.2%)、「わからない」(28.9%)を合わせると43.1%となり、条約自体の理解が国民に広がっていない。
  • 国交正常化50周年を踏まえ、日中首脳の相互訪問については、「両国間に様々な困難があるため見合わせるべき」とする日本人は11.2%にとどまり、「なるべく早く実施」が36.9%と最多となり、「感染拡大が収束してから行う」(22.0%)が続き、前向きな見方が多い。

 この世論調査結果も踏まえながら、各節目に日中関係に携わってこられた元外交官3人にお集まりいただき、「日中国交正常化50年とは」と題した座談会をオンラインにて開催いたします。
 併せてご取材いただきますよう、お願いいたします

日時:9月28日(水)10:45~11:45
テーマ:「元外交官3人が語る日中国交正常化50年とは」
参加者:小倉和夫(国際交流基金顧問)
        ※日中国交正常化交渉時の中国課首席事務官
    宮本雄二(宮本アジア研究所代表、元駐中国大使)
        ※日中関係が最も悪化した2006年から駐中国大使
    木寺昌人(元駐中国大使)
        ※尖閣諸島国有化直後に駐中国大使に就任
司会者:工藤泰志(言論NPO代表)

▼座談会のご取材は下記よりお申し込みください。
 https://www.genron-npo.net/20220928forum-media.html


「日中国交正常化50周年に関する世論調査結果」概要

 日本側の世論調査は、日本の18歳以上の男女を対象に7月23日から8月14日まで訪問留置回収法により実施された。有効回収標本数は1000である。回答者の性別は、男性が48.3%、女性が50.9%。最終学歴は小中学校卒が5.5%、高校卒が42%、短大・高専卒が21.5%、大学卒が28%、大学院卒が1.2%、その他が1.1%。年齢は20歳未満が2.3%、20歳から29歳が11.9%、30歳から39歳が14.8%、40歳から49歳が17.3%、50歳から59歳が14.7%、60歳以上が39%となっている。


【言論NPOとは】

 言論NPOは、「健全な社会には、当事者意識を持った議論や、未来に向かう真剣な議論の舞台が必要」との思いから、2001年に設立された、独立、中立、非営利のネットワーク型シンクタンクです。2005年に発足した「東京-北京フォーラム」は、日中間で唯一のハイレベル民間対話のプラットフォームとして17年間継続しています。また、2012年には、米国外交問題評議会が設立した世界25ヵ国のシンクタンク会議に日本から選出され、グローバルイシューに対する日本の意見を発信しています。この他、国内では毎年政権の実績評価の実施や選挙時の主要政党の公約評価、日本やアジアの民主主義のあり方を考える議論や、北東アジアの平和構築に向けた民間対話などに取り組んでいます。

 また、2017年には世界10カ国のシンクタンクを東京に集め、東京を舞台に世界の課題に関する議論を行う「東京会議」を立ち上げ、会議での議論の内容をG7議長国と日本政府に提案する仕組みをつくり出しました。

 さらに、米中対立下で、米国と中国が出席する4カ国の「アジア平和会議」を2020年1月に創設し、歴史的な作業に着手しています。


※参考資料

問1.あなたは、今年2022年が日中国交正常化50周年だということを知っていましたか。(○は1つ)

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問2.あなたは、国交正常化50年後の今の日本と中国との関係について、満足していますか。(○は1つ)

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問2SQ1.(問2で「1 とても満足している」、「2 どちらかといえば満足している」と答えた方にお聞きします)そのように感じる理由としてどれがあなたの考えに最も近いですか。(○は1つ)

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問2SQ2.(問2で「3 どちらかといえば不満である」、「4 とても不満である」と答えた方にお聞きします)そのように感じる理由としてどれがあなたの考えに最も近いですか。(○は1つ)

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問3.今年は国交正常化50周年です。あなたは日中首脳の相互訪問について、どのように考えますか。(○は1つ)

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問4.日本と中国との間には、両国が国連憲章の原則に基づき、全ての紛争を平和手段で解決する、武力による威嚇を行わないことなどを内容とした日中平和友好条約があります。この条約の内容は現在、両国の間で機能していると思いますか。(○は1つ)

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本件に関するお問い合わせ:言論NPO事務局 宮浦・広谷
TEL:03-3527-3972 FAX:03-6810-8729 MAIL:info@genron-npo.net