世界10カ国の民主主義国のトップ・シンクタンク代表と世界の有力な政治リーダーが参加する「東京会議2021」開幕

2021年3月22日

⇒ 「東京会議2021」概要をみる

 世界10カ国の民主主義国のトップ・シンクタンク代表と世界の有力な政治リーダーの計35氏を集めた、今年で4回目の「東京会議2021」が3月22日に開幕しました。

 その初日となる22日は、オープニングセッションと「インド太平洋構想」など3つのセッションが行われました。

kudo.jpg オープニングセッションでは、まず言論NPO代表の工藤泰志が主催者挨拶に登壇しました。

 その中で工藤は、「私たちは国際協調と民主主義をどう修復するか」を、今回の「東京会議」の全体テーマに据えた理由について言及し、「この修復は、国家だけではできない。私たち民間の場にいる専門家や知識層、そして市民も力を合わせなければならない局面だ」と主張し、「主権者である我々が、それぞれの国の民主主義や、世界の多国間の協力の修復を自ら考えずに、それをただ国家に委ねるとしたら、権威主義の国と何が異なるのか」と強調しました。


「3つの危機」を、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を基礎としつつ、国際協調によって克服していくことこそが、今まさに求められている

kato.jpg 続いて、日本政府を代表して、官房長官の加藤勝信氏が挨拶。その冒頭、加藤氏は、「今、国際社会は大きな変化そして課題に直面している」と切り出し、「新型コロナの世界的拡大がもたらす危機」、「国際社会のパワーバランスが大きく変化する中で顕在化してきた、これまでの国際社会の平和と繁栄を支える普遍的な価値や、国際秩序に対する挑戦」、「グローバル化、デジタル化、気候変動といった地球規模の課題や経済安全保障などの新たな課題の顕在化」の3つの危機を指摘。

 その上でこうした中、「自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を基礎としつつ、国際協調によってこの危機を克服していくことこそが今まさに求められている」とし、「東京会議2021」において、国際協調と民主主義の修復をテーマとした議論が行われることは、「まさに時宜を得ているもの」と評しました。
 

1945年、国連設立時のグローバリズムの偉大なビジョンを修復しつつ、国連の旗のもとでの新しいグローバリズムの構築が急務

 最後に、国立京都国際会館理事長で、元国連事務次長の明石康氏が登壇。その中で明石氏は、1945年に国連が設立された際の「グローバリズムの偉大なビジョンを修復しなければならない」と訴え、「新しいアプローチと想像力にインスパイアされた、国連の旗のもとでの新しいグローバリズム」の構築が急務だと、語りました。

 オープニングセッションの後、「インド太平洋戦略でアジアの平和は守れるのか」と、「コロナ後の経済復興―世界はどんな困難い直面しているのか」「世界の民主主義国は自由秩序と国際協調、民主主義の修復でどう連携すべきか」の3つのセッションが行われました。

 議論の内容は動画でご覧ください。




 
 二日目の3月23日は、世界10カ国のシンクタンク代表とラスムセン元NATO事務総長、ヴルフ元独大統領、ケビン・ラッド・元豪州首相等、世界の有力者10氏が参加して、米バイデン政権が提起した「私たちは国際協調と民主主義をどう修復するか」や「新型コロナー人類の危機に世界はなぜ対応を間違えたのか」の2つのセッションと基調講演が行われます。(日本語英語