3月23日から開催されている「東京会議2023」。24日午後の公開フォーラムの一連のセッション終了後、10カ国シンクタンク代表者からG7議長国への共同声明が発表されました。
「東京会議2023」主催者を代表して言論NPOの工藤泰志は「今回の合意文書作りは簡単ではなかった」と振り返った上で、「議論に関わった10カ国のシンクタンク代表者に改めて感謝の意を表したい。民主主義、自由、平和の実現には必ず困難が伴うが、必ず機能させなければならない。その舞台として、来年もまた『東京会議』を開催します」と決意を表明し、2日間にわたった会議は閉幕しました。
今回発出した「G7首脳会議に向けた共同声明」は七つのセッションで議論を深めて、共通の理解の元に集約しました。特に民主主義制度を鍛え直し、世界課題の解決のために努力することを目的に、五つの諸課題に焦点を当てています。
具体的には①ロシアのウクライナ侵略の和平交渉に実現のため、G7各国は関係国との対話を急ぐべきだ。②厳しい世界経済の状況下にあって、G7各国は気候変動の危機的状況に高い優先順位を持ち、公平に対処すべきだ。③新興国や途上国の経済悪化が懸念される中、G7各国は危機管理と債務問題の解決に向けて一層努力を払うべきだ。同時に中国に対しても、国際協力の姿勢を示すよう求めよ。④G7各国は省エネなど新しい技術開発、情報共有など資源外交を拡大すべきだ。⑤自由と法の支配を守る民主主義の修復のため、G7各国は中間層を再構築し、社会基盤を安定化させるべきだ──などと記し、世界的な喫緊の課題を踏まえた内容となりました。同日夕、G7の議長を務める岸田文雄・内閣総理大臣が歓迎夕食会に駆けつけ、工藤から手渡されました。