言論NPOは5月29日、国連開発計画(UNDP)に協力するかたちで「人道支援と早期復旧~ガザ戦争による社会・経済的影響の分析とパートナーシップ~」をテーマとする公開フォーラムを開催しました。
「人間の安全保障」に基づくアプローチが重要
開会挨拶に登壇したハジアリッチ秀子氏(UNDP駐日代表)は、パレスチナ情勢の現状について「壮大な人道的大惨事」とその苦境を表現。「大規模な飢餓や病気が発生する重大なリスクがある。格差と欠乏により、法と秩序はほぼ完全に崩壊した」「不衛生な環境の中で感染症が増加している。医療制度は崩壊しており、部分的にも機能している病院は36病院中14のみとなっている。住宅、学校、上下水道施設などの民間インフラの70%以上が破壊された」などとその惨状を述べました。緊急人道支援を可能にするための即時停戦を呼びかけ、ガザの人々は停戦、人道支援、早期復興といった自分たちの将来への希望を必要としていることを強調した上で「人間の安全保障」に基づくアプローチがこれまで以上に重要になってくると訴えました。
停戦の実現に向けて、日本政府も外交的努力を継続していく
昨年に外務副大臣としてパレスチナ訪問をした山田賢司氏(衆議院議員、日本パレスチナ友好議員連盟事務局長)が主賓挨拶に登壇。10月7日に発生したハマスによる民間人襲撃や人質の拉致は卑劣なテロ行為であるとして強く非難する一方で、「ハマスを制圧するという目的があったにせよ、ガザ地区において無辜の民間人の命を奪っていいということにはならない。住宅や病院が破壊され、女性や子どもを含む多くの命が失われている深刻な人道危機を一刻も早く終わらせるべき」と主張。速やかな停戦の実現に向け、外交的努力を粘り強く積極的に継続することが必要であるとの認識を示した上で、これまで長年にわたってパレスチナの支援に取り組んできた日本政府としても「最大限努力していく」と語りました。
停戦が実現していない中でも、復興に向けた準備を進めることは重要だと指摘
続いて、アブダラ・アル・ダルダリ氏(国連事務次長補、UNDP総裁補兼アラブ地域局長)が基調講演に登壇しました。
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