3月3日に開幕した「東京会議2025」2日目の3月4日午後、約300人の聴衆が見守る中、公開フォーラムの開会式が行われました。
「東京会議2025」のテーマは、現下の世界において最も本質的な問題を明らかにしている
まず開会挨拶に登壇したのは、「東京会議」の最高顧問を務める前首相の岸田文雄氏です。岸田氏はまず、今年は第二次世界大戦が終結し、国連が誕生して80年の節目の年にあたるとした上で、「国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げた法の支配による国際秩序と多国間主義は、どんなことがあっても守り抜かなくてはならない」ことを強調。今がまさに、その覚悟を問われる局面であり、「国連創設80周年に問われる国際協調と平和の修復」という今回のテーマを、「現下の世界において最も本質的な問題を明らかにしている」と評価しました。
岸田氏はこうした考えの背景として、「多国間主義や国連などの国際機関の価値を認めず、自国利益を優先する声が世界で強まっている」という現状に対する懸念があるとの認識を示しました。こうした「課題に真正面から取り組む動き自体を否定するものではない」としつつ、「しかし、自国利益のための取引が支配する世界は、これまで米国が主導してきた自由で開かれた国際秩序や、これからの国際社会の在り方を変えてしまう可能性がある」ことに警鐘を鳴らすとともに、「それは戦後の80年、私たちが目指した世界の姿だとは私は考えていない」と断じました。
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