CoCのニューデリー地域会合に続き、代表の工藤は、1月14日からインドの首都ニューデリーにおいて、インド・シンクタンク関係者や各分野の専門家と会談を行いました。
まず、工藤はインド国内の主要大学であるデリー大学内の東アジア研究所・所長をはじめ教授や学生数名と懇談を実施し、言論NPOが北東アジアで取り組んでいる、日中、日韓の対話や調査研究について紹介を行いました。参加者から、本活動の意義とその成果について強い関心と支持が示され、今後も継続して情報交換や対話を続けていくことで合意しました。
続けて訪問した、シンクタンクのCSDS(Center for the Study of the Developing Society) はインド国内で横断的な大学・研究者のネットワークを構築しており、過去20年間にわたりこのネットワークを活用し、国内の政策に関する大規模な世論調査事業を実施している活動について説明を受け、同団体の調査事業を通した草の根、ボトムアップの民主主義に対する取り組みは、同じ目標を有し日本で課題解決に取り組む言論NPOにとって多くの示唆に富んだ内容となりました。
次に、インド国内で貧困や格差、女性の社会進出、労働環境など社会問題の改善に取り組み民主主義強化を目指すNGO・PRIA(Participation Research in Asia)の招待で工藤は「日本の市民社会の課題と展望」について講演を行いました。工藤は日本の非営利組織の役割に期待が集まる一方で、市民に寄り添わない問題点を指摘し、言論や民主主義における課題解決に責任を持った世論の役割の重要性を強調しました。「Action Thinktank(行動するシンクタンク)」を標ぼうする同団体は現場のフィールドワークを通じて国内の様々な課題解決を行っており、言論NPOの国内における市民社会強化の活動に強い関心を示し、参加者間で活発な議論がなされました。
翌日15日は、インドの最大のシンクタンクの一つであり、COCのニューデリー・地域会合を主催したオブザーバー・リサーチ・ファンデーション(ORF)の日本研究者ケサバン氏、国際政治学者でORF特別研究員のラジャ・モハン氏を訪問し、言論NPOが行う日中、日韓の民間外交の活動について紹介を行った上で、北東アジアにおける政治・外交・安全保障面での課題と日印の協力関係の意義について意見交換を行いました。このほか、インド政府高官や国内の識者や専門家を訪問し、ニューデリーでの一連の会談を終えました。
インドでの全日程を振り返り、「デモクラシーを機能させ、平和構築に向けた動きをつくりだす年に」と題した工藤からの報告も公開しています。こちらも合わせてご覧ください。言論NPOは今後も民主主義と東アジアの平和と安定にむけた対話と議論の発信を継続して実施していきます。ぜひ今後もご注目ください。