9月30日(水)、言論NPOが来年2月の開催を目指す「東京会議」(地球規模課題に関する国際シンクタンク会議)の第1回準備会合が、言論NPO茅場町オフィスで開かれ、国内のシンクタンク関係者や学識経験者が参加しました。
会議の冒頭、代表の工藤泰志は、米国外交問題評議会(CFR)が主催するカウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)に加盟するシンクタンクに対して実施したアンケート結果を念頭に、「地球規模課題の解決に向け、日本が潜在的に持っている力は世界からも期待されているが、実際には国際的な舞台での発言がなかなか聞かれない。一部の志ある個人は努力しているが、日本国内にしっかりとした議論環境が形成されておらず、それが人材育成の遅れや発信力の低下にもつながっている。この状況を打開するため、世界のシンクタンクとも連携して、課題解決型の議論を発信する東京発のプラットフォームをつくりたい」と、今回、東京会議を発足させる狙いを説明しました。
これを受け、参加者からは、地球規模課題に対する日本の取り組みの遅れを指摘する声が相次ぎました。言論NPOが日本の有識者に行ったアンケート結果でも、日本の役割を期待する声が強かった地球温暖化対策については、「欧米ではシェールガスや再生エネルギーによる発電を進めており、アジア諸国でも11月のCOP21に向けて温室効果ガスの削減目標を立てている。一方で、日本はいまだに石炭火力発電に固執し、政府の削減目標も実現性が不透明なものとなっている」という意見が出されるなど、活発な意見交換がなされました。
最後に工藤は、今後の議論の展開について「個々のテーマについて、実際に課題に取り組んでいる当事者を招いて議論し、今、何が論点になっているかを明らかにしていく。その上で、課題解決に対する日本の強さ、弱さの議論を行い、『日本が国際的に果たすべき役割は何か』という問いに答えを出していく」と、方針を示しました。
言論NPOでは今後、東京会議の準備会合を月1回程度行い、来年2月の開催に向けた準備を進めていきます。その内容はウェブサイトでも随時お伝えしていきますので、ご注目ください。
※現在、岡野進氏(大和総研専務取締役)、湯元健治氏(日本総合研究所副理事長)、藤野純一氏(国立環境研究所主任研究員)など、国内のシンクタンク関係者や学識経験者が参加しています。