現在の国際秩序は『不安定化している』―有識者アンケート結果
2016年2月11日
あなたは、アジアや世界の秩序が大きく変化する中で、日本はどのような立ち位置を継続すべきだと思いますか。
「その他」の回答
- 3点目に挙げられた選択肢のように安倍政権は今後、積極的平和主義の立場から外交政策を行っていくだろうが、私はこれに賛同できない。現役自衛官の話によれば「日本は平和ボケしているから国防力を高めるべきだ」と安保法制を整備すべきだという声も沖縄から昨年聞かれた。間近で中国の艦船などが東シナ海を侵犯するのを見てきたからだろう。だが、日本は憲法9条という自らの身を守るためのアセットを脱ぎ捨ててしまい、交戦権を持たないまま自衛隊が海外派遣されてしまっている状態だ。 中東情勢に視点をおけば、アフガニスタンやイラク、シリアなどで主に生物兵器や化学兵器などが過去の戦争やテロに使用されてきた。米国の行ってきた戦争犯罪を見れば明白なように、その傀儡政権のイスラエルは1981年にイラクのオシラック原子炉爆撃事件を起こし、2007年9月6日にはシリアのアルキバール核施設を空爆した。スリーマイルやチェルノブイリ原子炉爆発は世界に喧伝されても、これらの中東情勢の深刻な危機についてはほとんど表沙汰にならない。シリアも被爆国の一つなのである。 元米陸軍将校で自律兵器専門家のサム・ウォレス氏が指摘しているように米国の生物兵器戦争の研究は他のあまり力強くない諸国が容易く競い合って兵器開発を進め、米国の国家安全保障に損害を与えるモデルケースを生んでしまったという現実が確かにある。 安倍首相は「2016年2月7日発射された北朝鮮の弾道ミサイルをPAC3展開で迎撃しようとできたのは安保法制成立のおかげだ」などと自負した。だが、防衛装備庁が軍事兵器の開発競争を行う先に見えるのは、現在国連で議論されているAI兵器や自律兵器の禁止をめぐり、AIとロボティクス専門家によって、またドイツや日本の大使によって、国際人道法の番人とも言える国際赤十字社によって、さらに米国国防省の政策によっても支持されてきた世界の国防の潮流に真っ向から逆行するものであると言える。 軍事兵器の開発はさらなる国防への脅威を生み、以下の国際法に違反する。 1949年ジュネーヴ第一条約第48条、49条、50条、第二条約第5条、第三条約第129条、130条、第四条約第146条、147条及び、第一追加議定書第35条、54条、55条、85条、91条、第二追加議定書第14条、ハーグ陸戦法規慣例条約第23条、ジェノサイド条約第2条、3条、生物毒素兵器禁止条約第2条、4条、1条、3条、5条、7条、クラスター弾に関する条約第1条、市民的及び政治的権利に関する国際規約第6条、生命倫理と人権に関する世界宣言(2005年)。(女、30代、その他)
- 力の均衡のみに頼らず、中長期的視野で世界平和の基盤を造成するためのいわゆる「グローバル・コモンズ」を形成するモデルになる。もちろん短期的には最小限の自衛力でのバランスも必要だが同時に中長期策を唱道することで世界平和への説得力を増し、真に尊敬される国となる。 (先の大戦責任と原爆被災国の立場での説得力もある。)(男、80代以上、NPO・NGO関係者)
- 自主国防を強化するなど、米国一辺倒の安保体制からの脱却をめざす。(男、50代、会社員)
- 注:この設問は複数回答であるにもかかわらず、単一回答に設定されています。 私の回答はNO.2とNo.4です。(男、70代、自営業)
- 現状の変更を認めないという立場は明らかにしつつ、過度に深入りせずに柔軟に対応。(男、60代、NPO・NGO関係者)
- 最初から4点を行いつつ5も忘れないという難しい状況が続く。(男、70代、企業経営者・幹部)
- いくつでも選べると書いてあるのに、1つしか選べないようになっている。「日米同盟強化」と「対中関係改善」をセットで行うべき。今の政権は前者に偏り過ぎ。(男、50代、メディア関係者)
- 1番目と4番目の回答(男、70代、学者・研究者)
- 日本の立ち位置はどれかに特化できるほど簡単ではないと思う。外交・内行にバランスよく対応していかなくてはならないのではないか(女、50代、各団体関係者)
- 経済成長を通して、世界経済の成長に貢献できれば、世界平和にもつながる。そのためには、金融緩和だけでなく、規制緩和などにより硬直的な経済構造を修正しなければならない。(男、30代、学者・研究者)
- なぜか複数回答できないのでここに記します。選択肢の1、4、2(優先順位順)を選びます。(男、50代、企業経営者・幹部)
- まず、日本の国のあり方、10年後20年後30年後のビジョンを内外に示すことが優先ではないか。(男、50代、メディア関係者)
- 国力の範囲、すなわち手を広げすぎないで独自の平和主義を進めて行くべきである。(男、70代、NPO・NGO関係者)
- 注: 一つしか選べない状態にセットされている 平和主義を厳守し、外交力で"真な"グローバル国家の立ち位置で行動する。そのためには、永田町・霞が関が一丸となって公僕機能を復帰させ、歴史を正しく理解し認め、世界に頼られるような言動で貫く。(女、60代、企業経営者・幹部)
- 日本の無能な政府に役割などない。邪魔しないようにしてほしい。(男、50代、その他 )
- いくつでも、選べませんね。 ??世界の問題よりも、日本の国の発展を優先させて、世界の問題には当面取り組まない ??その他 で、言論NPOさんに注文です。高市総務相が、気に入らない放送局には電波発信の許可を取り消すような発言をしました。今こそ、言論の危機かと思いますが、外交から、言論への、本来への方向転換を期待します。(男、50代、会社員)
- 永世中立、世界に誇る憲法を堅持すること(男、60代、自営業)
- バランス政策が大切だと思う。(男、40代、会社員)
- 米中の両方にビットする ・日米同盟を更に強化し、アメリカを軸とした体制を補完する ・中国など多様な国との関係を構築することで、平和的な秩序の土台をつくっていく(男、40代、学者・研究者)
- 「いくつでも」選ぼうとしたら選択肢が1個しかなかった。日米同盟を基軸としつつ、国連も活用するのがよい。「積極的平和主義」などという意味不明のことを言わず、謙虚な姿勢で、かつ主張を明確にした外交を行うべき。(男、50代、学者・研究者)