インドネシア:フィリップ・ベルモンテ
(戦略国際問題研究所所長)
世界は、伝統的な課題に加えて、これまでになかった課題に直面している
今回、言論NPOが主催するシンポジウムに参加するために、東京を訪れたわけですが、今回のシンポジウムは非常に重要なものになると思います。なぜなら、今、世界的な秩序が不安定化しており、非常に重要な局面にきていると感じているからです。
まず、世界は、従来型の、伝統的にあった秩序に対する問題、例えば、南シナ海の問題やウクライナの問題など、主権にかかわる問題に直面しています。一方で、安全保障関連で、これまでになかった、テロリズムの問題やジカ熱などの健康関連の問題など、各国が対応しなければいけない新しい課題、非従来的な課題が出てきました。明日のシンポジウムではそうした問題をいろいろと議論して、可能であればそれに対する対応策や提案をできればと思っています。
先進国と途上国のシンクタンクが参加する今回のシンポは重要だ
今年、G7という形で世界のリーダーが日本に集まる中で、このタイミングで今回のようなシンポジウムを開催するということは、戦略的にも非常に重要だと思います。そして、市民社会というか、我々の意見をしっかりとG7のリーダーに発信していくことは重要です。
しかも、今回のシンポジウムには先進国に加えて、途上国のシンクタンクが参加しているので、双方の意見を反映できるということで非常に期待しています。G7がこれから対応していかなければならない課題の多くは、途上国から浮上してきてG7に波及している課題が政治的にも社会的にも多くありますので、ぜひ、途上国側からも提案や進言ができればと思っています。