フランス:トマ・ゴマール
(フランス国際関係研究所(IFRI)所長)
言論NPOは非常にユニークな組織であり、これからサポートしていきたい
まず、今回、言論NPO主催のシンポジウムにお招きいただきましてありがとうございます。特に、G7が開催される前に、このようなシンポジウムに参加する機会があることは素晴らしいことだと思います。
私は、言論NPOは非常にアクティブなプラットフォームだと思っています。政治家の人も参加しているし、シンクタンクにメディアの人など、様々な分野の人たちが1つのプラットフォームに集まっているということは、日本でも非常に独自のもので、ユニークな組織だと思います。だからこそ、今回、言論NPOへの支持も含めて、今回のシンポジウムの招待を受けて参加することにしましたし、我々としてもサポートしたいと思っています。
今回G7の開催が5月末と目前に迫っているということで、非常にタイムリーな対話になると思っています。
民間からG7に対してメッセージを送ることができるのは非常に重要
現在、世界が政治的・経済的に不安定な状況にある中で、日本でG7が開催されることは、日本政治のリーダーシップにとっても重要なG7になると思います。そうした意味で、各国から今回のシンポジウムに参加するシンクタンクの人たちが、それぞれの国の立場も踏まえていろいろとディスカッションでき、自分たちの分析や考えを共有したり、G7に対して具体的な提案やメッセージを送る機会というのは、非常に重要だと思います。
さらに、政府だけでなく、民間社会が主催し、民間レベルでのディベートによって意見を交わすということの重要性という意味でも、今回のシンポジウムを楽しみにしています。
G7以外の国もどう巻き込んでいけるか、ということがG7の勝負どころ
私からは、G7に対して2つほどメッセージがあります。1つは、G7というのは7カ国が集まるという意味でも重要ですが、それだけではなくてG20とどう合せていくかということが、これからより一層大切になってくると思います。G7各国だけというよりも、G7以外の国を巻き込んでいくことができるのか、ということがこれからのG7の勝負どころだと思います。
もう1つは、自由の秩序に対する危機についてです。各国が共有する民主主義の原則などを、これからも引き続き継続させていくということは、非常に大切なことだと思っています。そういう意味では、国家レベルではなくて、政府と市民とのリレーションシップという点についても、民主主義の強化という意味では重要になるし、G7の取り組みがその枠内で終わるのではなく、他の民主国家並びに絶対主義国家を巻き込んでいく。つまり、G7からさらにG20につなげていくというところが、今後、益々重要になっていくので、その2点についてG7にメッセージとして求めていきたいと思います。