3月3日、非公式会議の後、東京都内の椿山荘において、歓迎夕食会が行われました。
まず、乾杯の音頭を取った言論NPOアドバザリーボードで、国際文化会館理事長の明石康氏は、「アメリカと欧州で起きている自由と民主主義をめぐる変化の波紋は、アジアやその他の地域でも起き始めている」と懸念を示しつつ、「しかし、この東京に世界10カ国から最高のブレーンが集まってくれた。活発に意見を交わし、直面した課題についての解決の糸口を見つけ出すことができれば、必ず大きな光が見えてくる」と居並ぶパネリストに対して大きな期待を寄せました。
ゲストとして挨拶に立った外務省関係者は、日本にとっての課題について、短期的には北朝鮮問題、長期的には中国、ロシアとどう向き合うか、だとしつつ、国際秩序を形成してきた規範が脅かされている中、トランプ政権下のアメリカとどう向き合い、どのように世界の安定を図っていくかも大きな課題になると語りました。
さらに、同氏はは、規範の揺らぎに関する大きな懸念として、今年重要な選挙が相次ぐ欧州にも言及。特に、独仏の結果如何によっては、「規範を守り、作る力がある国がいなくなるEUは深刻な事態に陥る」と語りました。
そして、日本の方針として同氏は、インドや豪州など価値を共有する国々と連携を深めるとしつつも、それだけでは不十分であるとし、「やはり、重要なのはG7なので、G7で共有する価値や規範を再確認すべき。G20があればG7は不要となるのではなく、規範が脅かされている今だからこそ、G7が果たす役割が重要になる」と主張し、挨拶を締めくくりました。
日本の外交政策当局者の登場に対して、各国のパネリストからは、「G7というが、すでに米英が価値から後退し、仏の先行きも不透明な状況の中、これまで『無口』だった日本は一体何をするのか」など鋭い質問が相次ぎました。
こうした質問を外交政策局者も真正面から受け止め、日本政府の公式見解を述べるにとどまらず、自らの見解を率直に語るなど、本番さながらの白熱した質疑応答が繰り広げられました。
夕食会ではその後も、リベラルな価値をどう守るかについての議論だけでなく、北朝鮮問題や中国への対応、国際平和協力のあり方など様々な議論が展開され、参加者は箸を動かす手を止めて語り合いました。
そうした様子を見て、言論NPO代表の工藤泰志も、「改めて規範を守っていくための覚悟を固めた。明日は市民にも考えてもらうような議論を期待したい。今回集まった『G10』に何ができるか。まさにシンクタンクの役割が問われている」と呼びかけると、参加者は明日の健闘を誓い合い、夕食会は終了しました。
3月4日「東京会議」インターネット中継のお知らせ
3月4日の公開セッションの模様は、USTREAM(日本語)とYouTube Live(英語)で中継いたします
USTREAM(日本語中継):http://www.ustream.tv/channel/genron-npo-live
YouTube Live(英語中継):https://www.youtube.com/user/genron/live
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