3月4日、国連大学にて行われた「東京会議」公開フォーラム終了後、日本と海外のパネリスト、並びに、言論NPOの関係者が参加し、レセプションが開催されました。
今回のフォーラムの司会進行は、言論NPO理事の田中弥生氏(大学改革支援・学位授与機構教授)が務めました。
まず、はじめに挨拶に立った工藤は、「東京会議」の創設に、世界10カ国のシンクタンクの代表を始め、日本を代表する識者がパネリストとして参加してくれたことに、感謝の意を表しました。そして、日本はやはり国際社会でもっと発言し、世界の課題にリーダーシップを持って取り組むことが必要であり、今回の「東京会議」を契機に、「言論NPOが世界の中できちんとした貢献をして、役割を発揮したい。そのためにも、私たちは一歩も引かずに、自由と民主主義の創設以来のミッションの実現に取り組んでいきたい」と今後の決意を語りました。
続いて、公開フォーラムで、G7への緊急メッセージを受け取り、それを受けて特別講演を行った岸田文雄・外務大臣が登壇しました。まず、岸田氏は、世界10カ国のシンクタンクが議論し、メッセージを宣言文という成果にまとめたことについて、心からの敬意を表しました。その上で、4年3カ月という非常に安定した政治を背景に、「日本は国際社会においても、引き続きしっかりと発言力を持ち、そして存在感を高めていきたい。そして、バランスの取れた外交を進め、結果として、自由や民主主義といった、戦後の国際社会を支えた基本的な価値を守っていきたい」との意気込み語ると同時に、「東京会議」が不透明な国際社会に今後も提言を送り続けてほしいと期待を示しました。
その後、乾杯の発声に立った言論NPOアドバイザリーボードの長谷川閑史氏(武田薬品工業株式会社取締役会長)は、浅川雅嗣・財務官の政治のトリレンマ(民主主義とナショナリズムとグローバリゼーションをどう併存させていくか)を解決するには、やはりCouncil of Councilsがまずお互いにしっかりと信頼関係を持つこと、そして、ナショナリズムではなく、関連する国々とWinWinの関係をつくって長い間でベストの結果を生み出すナショナルインタレストを重視すべきだとしました。そして、長谷川氏は今回の「東京会議」のさらなる発展を祝い、乾杯の発声を行いました。
続いて、セッション1のキーノートスピーチに登壇した杉山外務事務次官は、言論NPOと各国シンクタンクが立ち上げた「東京会議」での議論が、今後も世界の課題に挑んでいくことに期待を示しました。
次に、今年のG7議長国であるイタリアの駐日本イタリア大使のドメニコ・ジョルジ大使が登壇しました。ジョルジュ氏は、5月末にイタリアでの開催が控えているG7の準備を進めていることを紹介した上で、今日の「東京会議」で行われたことを、本国に持ち帰ることを約束。そして、世界秩序が、そして70年間築き上げてきたこのシステムが重要かということを踏まえて報告することを約束し、挨拶を締めくくりました。
続いて登壇した片上慶一・外務審議官は、今年のイタリアサミットのシェルパを務めています。片上氏は、映画の「ゴッドファーザー」の一節「我々の船は、全て同じ方向に進まなければならない」とのセリフを引用しながら、G7が特別かつ価値を有するのは、G7としての連帯、価値原則、責任の共有であり、今回の「東京会議」で議論された様々な事項、さらに、提出されたメッセージを十分踏まえて、5月のG7に向けて準備を進めていきたいと語りました。
歓談の後、今回参加した各国のシンクタンクの代表が登壇しました。
アメリカ外交問題評議会シニアバイスプレジデントのジェームズ・リンゼイ氏は、「これだけ素晴らしいパネリストの中に参加できたことは非常に光栄なことで、勉強にもなった。次回5月、アメリカでまた会うのを楽しみにしている」と語りました。
他にも、イタリア国際問題研究所所長のエットーレ・グレコ氏は、「今回の宣言をイタリアの専門家コミュニティ、並びに一般の人たちにも知らせるような形にしたい。さらには、昨年日本が議長国としてやったことを、イタリアがきちんと我々の目的として引き継ぐという継続性の重要性を最大限に生かしていきたい」と語り、今後の言論NPOとの協力関係を維持ししていくことで合意しました。
最後に中締めの挨拶に立った工藤は、今回の「東京会議」を世界の課題を考える論壇をつくり、その論壇から育った人たちが、世界のリーダーになっていくという流れをつくりたい、と今後の将来像を語りました。そのうえで、今回の協議結果を踏まえて、「何かの貢献がしたいし、来年に向けてもっと強いものにしていきたい」と工藤の決意を語り、挨拶を締めくくりました。
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