「東京会議2019」レセプション報告

2019年3月04日

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 3月3日に開催された「東京会議2019」公開フォーラムの終了後、国内外のパネリストや言論NPO関係者らが参加し、レセプションパーティが開催されました。


世界トップの論者が仲間として集まるからこそ、
世界への強力なメッセージが作れる

DSC_1154.jpg 冒頭、主催者として挨拶に立った言論NPO代表の工藤泰志はまず、「G7首脳会議へのメッセージ」をまとめた会議の成果について、「我々は非常に重要なことを成し遂げた」と振り返りました。工藤は、「日本で、リベラル国際秩序をきちんと議論し、世界に提案するのは初めてのことだ。しかも米中の対立がかなり緊迫化する中、こういう議論ができたことは非常に良かった」と、改めて「東京会議」の意義を強調。そして、会議のミッションに賛同し来日した世界10カ国のシンクタンクトップらについて、「私たちの友人は皆、本当にすごい論者で、議論をまとめるのは大変。しかし、だからこそ強いメッセージを作れる。そういう仲間が集まってくれて、嬉しい思いでいっぱいだ」と、感慨を新たにする工藤でした。

 一方で工藤は、明日(3月4日)が新聞休刊日であることに触れ、「日本の新聞は、こんなに素晴らしい議論を市民に伝えられない」と残念がります。「インターネットでは絶対に報道してほしい」と願うとともに、10ヵ国の参加者らに対しても、それぞれの国の政府や世論に東京会議の取り組みを伝えてほしい、と期待を語り挨拶を終えました。

_DZB2104.jpg 続いて、言論NPOアドバイザリーボード・メンバーの藤崎一郎・元駐米国大使が登壇。公開フォーラムの第2セッションで司会を務めただけでなく、G7へのメッセージの取りまとめにも尽力した藤崎氏は、「長い1日だった。そして、明日も非公開の議論がある」と切り出します。この時点で既に10時間近くの議論をこなしているシンクタンクトップらの疲労に最大限配慮し、「早く食事を楽しもう」と、手短に挨拶を切り上げました。


多国間の課題に対する言論NPOの貢献は重みを増している

_DZB2127.jpg 乾杯の音頭を取ったのは、東京・渋谷区に本部を置く国連大学のデビッド・マローン学長です。国連大学は昨年、一昨年の東京会議の舞台でしたが、今回は改装中のため、別会場での開催となりました。にもかかわらず駆け付けたマローン氏はまず、自身が過去にワシントンのシンクタンクで勤務した経験に触れ、「シンクタンクの世界はとても競争が激しく、自分の発言に責任を持ち、それに基づいて動かないといけない。そういう意味で、シンクタンクで働く人は常に最善の努力をしている」と敬意を表します。

 またマローン氏は、言論NPOの取り組みについて、北東アジア地域の課題だけでなく、多国間の課題に向かい合っていることを「多国間の課題は、最近、あまり焦点が当たらなくなっている。この分野での貢献の重要性は増している」と評価。

 さらに同氏は、「東京会議に参加するシンクタンクトップの何人か人は長年の友人だ。彼らがこの会議のために東京に来てくれたことをうれしく思う」と発言。こうしたシンクタンクが、自国だけでなく世界的に影響力を持つ組織に発展していることへの喜びを語りました。

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 その後も参加者らはビールやワインのグラスを片手に、昼間の白熱した議論を振り返りながら、思い思いに交流を深めました。

_DZB1085.jpg 会の中締めとして、中国国務院の発展研究センターから今回の東京会議に招かれた、楊光普・副研究員がステージに立ちました。楊氏は「貴重な意見交換の機会を提供してくれた言論NPO、そして参加者全員に感謝したい」と挨拶。レセプションは盛況のうちに幕を閉じました。

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