言論NPOは8月29日、グローバルイシューの解決策を日本から国際社会に発信するための有識者会議「ワールド・アジェンダ・カウンシル(WAC)」の第2回会議を開催しました。
"米中貿易戦争"は関税引き上げの応酬が続くなどますますエスカレートし、世界経済全体にも暗い影を落とし始めています。そこで今回は、ゲストスピーカーとして経済産業省から渡辺哲也大臣官房審議官(通商政策局担当)をお招きし、「米中貿易対立と世界経済の今後」についてご講演いただきました。
渡辺審議官はその中で、現下の米中対立を概観しつつ、その影響が多分野、多地域に及んでいる現状について解説。併せて日本政府はこの状況の中でどのような通商戦略を進めていこうとしているのか、今後の方針について説明しました。
講演に引き続いて行われた意見交換では、出席したWAC委員各氏から米中対立の着地点の見通しや、WTO改革の進捗状況など様々な点について質問が寄せられました。また、講演の中にはなかった対韓輸出管理厳格化についても各氏から発言が相次ぐなど、活発な議論が展開されました。
その後は、WAC委員間で今後の運営方針について確認。そこでは、来年2~3月に開催予定の「第4回東京会議」で議論すべきグローバルイシューについて、様々な論点提示が行われるとともに、「東京会議プレフォーラム」(11月開催予定)や、「地球規模課題についての国際協力に関する評価」(12月公表予定)の方針についても意見が交わされました。
これらのイベントの準備状況につきましては、言論NPOのウェブサイト等で随時お知らせしていきますので、是非ご覧ください。
2019年度 第2回WAC会議 出席者一覧 (50音順・敬称略)
【ゲストスピーカー】
渡辺哲也氏 経済産業省大臣官房審議官(通商政策局担当)
【委員】
赤阪清隆 公益財団法人フォーリン・プレスセンター理事長
河合正弘 東京大学公共政策大学院特任教授
工藤泰志 言論NPO代表
杉田弘毅 共同通信社特別編集委員
中川淳司 中央学院大学現代教養学部教授
児玉卓 株式会社大和総研経済調査部長(株式会社大和総研常務取締役 牧野正俊氏代理)