記者会見言論NPOと中国日報社(チャイナディリー)の日中議論提携について

2005年1月13日

img_paper.jpg特定非営利活動法人 言論NPO
中国日報社
(2005/1/13)




日本と中国はダイナミックな経済的な結びつきとは対照的に国民各階層で議論交流は遅れ、一部で相互理解が十分進まないどころか、感情的な反発が相互の国民間で拡大しています。このような状況のなかで、特定非営利活動法人言論NPOと中国の唯一の英字日刊全国紙、中国日報社(チャイナディリー)は議論提携を行い、今後、両国の間で日中共通の関心課題だけではなく、幅広くアジアや世界の将来に向けての議論を恒常的に行い、その内容を双方のメディアなどを活用して適宜公開すること、さらには今年7月に北京でシンポジウムを開催することで合意しました。

私たちが目指しているのは、日中両国の政策立案関係者や経営者、メディア関係者などの有識者が個人の立場で建設的で自由な議論が本音ベースで行われる舞台づくりであり、民主導のこれらの継続的な議論を継続することで、日中間の障害のひとつとなっている、双方の認識とコミュニケーションのギャップの解消に真正面から取り組むことです。

 今回の言論NPOと中国日報社の提携は中国側が個人主体のNPO組織である私たちの提案に応じて実現したものです。日本のNPO組織が中国のメディアと議論提携を行うのは初めての試みで画期的なことと自負しています。

今回の議論交流は今後、言論NPOと中国日報社傘下のチャイナディリー・インターネット版との間で行われることになり、両者は様々な議論計画を立案し実施するため日中共同の作業委員会をつくり、まず本年7月、北京でキックオフの第一回シンポジウムを行い、それをきっかけに毎年交互に両国でシンポジウムを行うこと、また今夏のシンポジウムの開催までに両国でさまざまなテーマに関する共同アンケート調査などを行うこと、さらに両国の政治家、官僚などの政策立案関係者や学者、メディア関係者と継続的な議論を行い、それらを双方のメディアを中心に公開していくことなどを計画しています。

チャイナディリー・インターネット版は中国の4大メディアのひとつの中国日報のインターネット版であり、1日のアクセスが550万ページビュー(半数は国内から)に及び、中国では急成長が注目されているインターネットの代表的メディアです。言論NPOは既存のメディアとは異なり、日本国内の政策当事者、経営者、学者、ジャーリストなどの有識者(会員数500人)が個人のネットワークを舞台に様々な議論や政策提言などを行っているNPO組織です。その意味では今回の提携は、両国の新しいメディアが日中の相互理解の議論で長期的な協力関係を結ぶことでもあります。

私たちは今回の日中の民主導の自由でオープンな建設的な議論のための提携を成功させ、日中の相互理解のための長期的な友好関係を作り上げるだけではなく、その議論ネットワークや舞台をさらにアジアに広げ、さらには日中間だけではなくアジアや世界の将来を見据えた有益な議論を盛り上げるために一層の努力を行うつもりです。


言論NPOとチャイナディリー者の主な合意内容

言論NPOと中国日報社(チャイナディリー)は両国の政治家、官僚などの政策立案関係者や経済の指導者やメディア関係者間が本音ベースで建設的な議論を継続的に行うために努力し、それらの内容を双方のメディアを中心に適宜公開する。具体的な議論交流は言論NPOと中国日報社傘下のチャイナデイリー・インターネット版との間で行う。
議論交流のキックオフとして2005年は7月に言論NPOと中国日報社共催のシンポジウムを北京で行う。北京シンポジウムでは両国民の間に存在するコミュニケーションや認識ギャップを明らかにすること等をテーマとする。
北京シンポジウムまでに日本と中国の双方で共同のアンケート調査を行う。またシンポジウムは今年の北京開催以後、毎年、日本と中国の両国で交互に開催する。
共同の議論やイベントの企画やテーマの立案やその実施は言論NPO、ならびにチャイナディリーが選任した共同のタスクフォース(作業部会)で行う。