言論NPOは3月2日、今年で18回目を迎える「東京-北京フォーラム」(主催:言論NPO、中国国際出版集団)の第1回日本側実行委員会を開催しました。オンライン開催となった今回の会議には実行委員23氏が顔を揃えました。
会議では、東京五輪・パラリンピック組織委員会事務総長の武藤敏郎氏が新たな実行委員長に就任し、フォーラム開催日については、日中国交正常化50周年の記念日である9月29日を軸に調整を進めていくことを確認しました。
会議の冒頭、開会の挨拶をした言論NPO代表の工藤泰志は、今年のフォーラムは日中国交正常化50周年に開催されるという点で「特別な意味がある」と切り出し、特別の合意を検討したいと意気込みを語りました。
一方で、厳しさを増すウクライナ危機に言及。「ロシアによる軍事侵攻で、領土と主権を尊重することで成り立つ世界の秩序が根底から壊される暴挙に私たちは直面している。こうしたことをこのアジアでも起こさないためにも私たちは対話を続け、言うべきことは言わなくてはならない」と17年間一度も中断せずに継続してきたこのフォーラムの意義を強調しました。
その上で工藤は、昨年の第17回フォーラムの共同声明には、「歴史的な困難が広がる中で、民間の取り組みが勢いを失うことは致命的である」との点で中国側と合意したことを振り返りつつ、この民間対話の重要性を再確認しました。
続いて、新たな実行委員体制発足についての報告が行われました。
今回の第18回フォーラムより、東京五輪・パラリンピック組織委員会事務総長の武藤敏郎氏が新たな実行委員長に就任したことが、報告されました。
武藤氏はその就任挨拶の中で、「これまで東京五輪・パラリンピック組織委員会事務総長の業務に忙殺されていたが、一段落ついていよいよこのフォーラムに戻らせていただくことになった。明石前実行委員長の12年間の功績を引き継ぎ、このフォーラムをさらに発展させていきたい」と抱負を述べました。
続いて、実行委員長を退任し、新たに名誉委員長に就任する運びとなった明石康氏(国立京都国際会館理事長、元国連事務次長)が挨拶。2013年の第9回フォーラムでは、尖閣問題で両国関係が最悪の状況に陥る中、両国の民間レベルで「不戦の誓い」を合意し、世界に向けて発信しましたが、この合意に至ったのは「武藤氏の尽力によるところが大きかった」と回顧。この誓いの精神がますます重要になってきた現在の局面では、「オリンピック・パラリンピック時のような熱量をもって運営にあたっていただきたい」とエールを送りました。
その後行われた意見交換では、本フォーラムの開催日について、国交正常化50周年の記念日である9月29日を軸に、その前に調整を進めていくことが確認されるとともに、議論のテーマ、達成すべき目標などについて話し合われました。
「第18回東京-北京フォーラム」の準備状況につきましては、今後も随時言論NPOホームページ上でお知らせいたします。是非ご覧ください。