言論NPOは11月30日、18回目となる日中共同世論調査結果を公表しました。
ロシアのウクライナ侵略で世界の平和は不安定化し、米中の対立はこの北東アジアの緊張を高めています。日本と中国は今年、国交正常化50周年を迎え、3年ぶりとなる首脳会談も行われましたが、コロナ感染の影響から国民の交流が停止する異常な状況が続いています。
今回の世論調査はこうした不安定な世界やアジアの緊張が高まる中、両国でこの夏に実施されたものです。
これまでの調査で設問に入れることで合意ができなかった台湾海峡の問題やウクライナへのロシア侵略の是非についても今回は採用となり、中国国民が、「台湾海峡」と「ウクライナ」で回答する、世界でも初めての調査になります。
「台湾海峡」での紛争の可能性を中国国民の約6割が意識
今回の世論調査でより明確になったのは、深刻化する米中対立が日中両国民の意識に大きな影響を与えていることです。
両国民は、北東アジア地域の平和に不安を高め、日中関係に対する意識にも米中対立の行方が色濃く反映しています。
両国民が東アジアの紛争の可能性を最も意識しているのは「台湾海峡」であり、「台湾海峡」を選んだ日本国民は25%(昨年は13.4%)、中国国民は48.6%(同39.6%)と昨年よりも大きく増えています。
さらに、台湾海峡での「軍事紛争の可能性」については、数年内か近い将来に軍事紛争が「起きる」と見ている日本国民は44.5%と半数に迫ったほか、中国国民では56.7%と6割近くになっています。
この調査結果は、言論NPOと中国国際出版集団が2005年から18年間継続して実施しているものです。中国の国民世論が18年間、継続的に調査され、公開されるのは、世界でもこの調査だけです。
日本の調査は18歳以上の男女を対象に2022年の7月23日から8月14日まで日本全国で訪問留置回収法により実施され、有効回収標本数は1000。中国側の世論調査は北京・上海・広州・成都・瀋陽・武漢・南京・西安・青島・鄭州の10都市で18歳以上の男女を対象に同年7月23日から9月30日にかけて調査員による面接聴取法により実施されました。有効回収標本は1528です。
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