「東京─北京フォーラム」第2日目(12月8日)の特別セッション「世論調査」では、「国交正常化50周年を日中の両国民はどう迎えたか」と題して、日中両国から2人ずつ計4人の有識者がパネリストとして参加し、熱心に議論を繰り広げました。18回目を数える今回、「東アジアの軍事紛争」における「台湾海峡」問題と、今年2月に勃発した「ロシアのウクライナ侵攻と世界の平和」が初めて設問に加えられ、両国民の評価の違いが関係者やメディアなどの注目を集めている中での開催です。
ウクライナと台湾海峡問題を中国国民に初めて聞いた世論調査結果
日本側司会を務めた言論NPO代表の工藤泰志が「初めてウクライナと台湾海峡問題が入ったことに注目したい。日中国交正常化50年のタイミングで、日中両国民が両国政府に地域の平和の取り組みを求めていることは明らかだが、あまり機能してこなかった。このタイミングで再構築するべきではないか」と呼びかけて、議論がスタートしました。
東大大学院合文化研究科の川島真教授は「双方が平和を求めている」傾向が浮き彫りになったことに関して「大変嬉しい」と賛意を表明しました。その上で「台湾海峡問題」への危機感が前年に比べて大きく増加したことについて「中国側が危険度を感じている」と分析。具体的には、中国側世論の8割近くが「問題の原因は米国の行動にある」とする一方で、日本側世論の6割余りが「中国に原因がある」と見ている結果を注視する必要があるとの認識を明らかにしました。また、尖閣諸島(釣魚島)を巡る問題についても「中国側は連絡メカニズムをつくることを歓迎するが、日本側は懐疑的だ」と述べ、世論の違いを指摘。さらに日中両国の対メディア観についても、中国側の8割超が「メディアは日中関係の改善や両国民間の相互理解の促進に貢献している」と日本側と異なる回答をしていることについても、議論の必要性を指摘しました。
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