12月7日から開催している「第18回東京-北京フォーラム」は8日も各種の分科会が開催されました。「対立する世界とアジアの平和で問われる報道の在り方」を大テーマにしたメディア分科会では、日中両国のメディア人が率直な議論を繰り広げました。
冒頭、日本側司会の川島真氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)は「世論調査の特別セッションは日中双方の議論がかみ合った。調査結果を見ると、中国の印象が良くないのは日本のメディアが『中国を悪く喧伝しているからだ』と。一方でメディアの貢献度に関する設問では、日本は低く、中国は高く見ている」などと述べ、両国のメディア・報道に対する認識の違いを指摘し、議論が始まりました。
議論前半のテーマは「ウクライナ侵攻や世界の対立を両国メディアはどう報じたか」に設定。日本側の問題提起者の一人、朝日新聞の坂尻信義編集委員は「国交正常化50年があまり盛り上がっていないとされたが、40年も盛り上がりを欠けた。しかし、45年は盛り上がっていた」と述べ、曖昧な印象論は気にする必要はないとの認識を表明。その上で2013年の本フォーラムで「不戦の誓い」を世界に向けて発した取り組みを評価し、コンセンサスを維持発展させることが重要だと述べました。
デジタルで情報発信する彭湃新聞の劉永鋼総裁・総編集長は、ウクライナ情勢などを例に挙げて「第三国の国民は、マスコミ報道によってステークホルダー、さまざまな声を知ることになる。干渉を避けて、事実に基づいて報道する原点に戻るべきだ」と原則論を主張。同時に中日関係について「相手国へのネガティブキャンペーンを避け、共通の問題も報道できるはずだ」と語りかけました。
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