今回は、大阪大学大学院経済学研究科教授の杉原薫氏に「グローバル・ヒストリーのなかの東アジア」というテーマでお話を伺い、活発な議論が行われました。
杉原氏は、テーマについて以下のようにお話をしました。
イギリス産業革命後、石炭と新大陸の資源による「大西洋経済」は資源集約的、労働節約経済。実質賃金が上昇し、植民地化とアジア人は移籍運動もあり、資源は白人に独占されていた。
明治日本の工業化は、労働集約型であり、西欧に対し、キャッチアップというより棲み分けであった。20世紀に入るとエネルギーは石炭から石油への転換が進み、資源の独占は強化され、日本は資源節約型の径路を追求した。
冷戦体制に入ると、米ソが資源集約的、資本集約的産業に特化していき、これが、日本、東アジアの工業化の幅を広げることを可能にしアジア太平洋経済圏の興隆につながった。高度成長期における日本で資源節約型発展径路が形成。西洋から輸入した技術を東アジアの人的資源と融合させ、資本集約的な高賃金掲示になったが、資源集約型径路にはconvergeせず、新しい径路を発見。また、第二次大戦後、世界所得分配の悪化に歯止めがかかった。その一つの要因は、労働集約型工業化のアジアに於ける普及である。
そして今後日本の課題として、(1) 自由貿易体制の維持、(2) 資源集約型径路の普及、(3) 「働く高齢化社会」モデルの模索、を上げられました。
その後、杉原氏とメンバーとの間で活発な議論が行われました。
(※議事録は後日アップされます。)
今回の会議の出席者は以下の方々でした。(敬称略)
杉原薫 (大阪大学大学院経済学研究科教授)
福川伸次(電通顧問)
岩竹常博 (三井物産ライフスタイル事業本部長補佐)
中平幸典 (国際経済研究所副理事長)
夏川和也(日立製作所顧問)
深川由起子(東京大学大学院総合文化研究科教授)
横山禎徳(社会システムデザイナー)
工藤泰志 (言論NPO代表)
松田学 (言論NPO理事)
今回は、大阪大学大学院経済学研究科教授の杉原薫氏に「グローバル・ヒストリーのなかの東アジア」というテーマでお話を伺い、活発な議論が行われました。