「アジア平和会議」を、この地域の平和と繁栄に責任を果たす出発点に「アジア平和会議2023」公開フォーラム第2セッション報告

2023年7月20日

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 7月19日午後から開催されている「アジア平和会議2023」の公開フォーラム。第1セッションに続いて行われた第2セッションは「北東アジアの紛争回避と将来の安定的な平和に向けて、どのような努力が必要か」をテーマに、日中米韓4カ国の外交・防衛関係者と主催者の言論NPO代表、工藤泰志の計14人が、長時間の議論の疲れを見せずに熱い論戦を繰り広げました。

 元駐米大使の藤崎一郎・日米協会会長の司会で、1時間半にわたる議論がスタート。まずは4カ国の代表者が現状を踏まえた「危機管理の仕組み」「大国関係の安定」「多国間対話」の3点を念頭に問題提起しました。


米中対立は深刻だが核不拡散、デカップリングはできな。両首脳の信頼関係の構築がカギ

 元韓国外交部第1次官の林聖男・元ASEAN担当大使は第1セッションの議論を踏まえて「なぜ米中の主張には差異が生じるのか」と述べ、互いに「警戒心を解かない競争関係の要因」を分析してみせました。1962年のキューバ危機で米ソが報復を恐れて先制攻撃に踏み切らなかった「相互確証破壊」に言及。「安定したトップリーダーのチャンネルがあった。歴史に学べば、互いに未曾有の経済依存関係にあり、核戦争はできないと判るだろう」と指摘しました。さらに第1セッションで中国の登壇者が米中戦争に至る可能性は「あり得る」と述べたことに関して、林氏は否定的見解を示しました。その上で、今秋のAPEC(アジア太平洋経済協力)などで海上事故防止協定など紛争回避の「アップグレード」を提案するとともに、北朝鮮の核ミサイル問題等を巡る6カ国協議に代わる機関の創設なども提案しました。

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 司会の藤崎氏は「対立は根深いけれども、核不拡散、デカップリングもできない。本当に衝突することにはならないが、両首脳の信頼関係の構築ができるか見守るべきだ、という話だ」と意見をまとめ、次の登壇者にボールを投げました。

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