「第11 回日韓共同世論調査」記者会見報告

2023年10月12日

⇒ 工藤論考「日韓の関係改善で浮かび上がった国民意識の温度差を分析する」
⇒「第11回日韓共同世論調査結果」はこちら


 言論NPOと韓国の東アジア研究院(East Asia Institute, EAI)は10月12日、「第11 回日韓共同世論調査」の結果を公表しました。

 今回の調査は、8月下旬から9月下旬にかけて実施。日本世論では、韓国に対する「良い」印象が「良くない」印象を上回るとともに、現在の日韓関係についても、「良い」との評価が「悪い」を上回りました。いずれも11回を数える本調査で初めてのことです。

 こうした日本人の意識改善の背景には、日韓関係改善に向かう両国の首脳や、外交展開に対する高評価が影響しており、とりわけ尹錫悦・韓国大統領に対する好印象が際立っています。

 これに対し韓国世論では、現在の日韓関係に対する評価では改善がみられた一方で、日本に対する印象では大きな変化はなく、日本とは温度差がみられる結果となりました。

日韓記者会見.jpg 記者会見の中で言論NPO代表の工藤泰志は、「歴史問題の根本的な決着を求める意識が韓国人の中にあり、それが判断の留保につながっている」と分析。こうした温度差は、福島第一原発の処理水をめぐる問題や、安全保障についての考え方でもみられるとしましたが、今後の日韓関係の方向性を訊ねた設問などからは、「両国民が未来に向かって同じ方向を向いている」姿も浮かび上がっていると指摘。「日韓関係が動いている時の民意をきちんと掴む調査となった」と手応えを口にしました。東アジア研究院院長の孫洌氏も、「韓国側の認識も全体としてはここ数年の改善基調を維持している。前回対面での記者会見を実施した2019年とは状況は大きく変わっている」と今後のさらなる改善に期待を寄せました。

工藤論考「今年の日中世論調査は核戦争の可能性に中国国民が初めて言及」はこちら
「第19 回日中共同世論調査」結果はこちらから

ログインはこちら 新規登録はこちらから