3月19日、今年8月の開催が予定されている「第5回北京‐東京フォーラム」に向けた第1回実行委員会が都内で開催されました。小林陽太郎氏(富士ゼロックス株式会社相談役最高顧問)、安斎隆氏(株式会社セブン銀行代表取締役社長)、明石康氏(NPO法人日本紛争予防センター会長)をはじめとして26名が参加し、中国側からも徐英氏(国務院新聞弁公室国際局副局長)、高 岸明氏(中国日報社秘書長)ら3名が出席しました。
はじめに小林氏の実行委員長からの退任と、安斎氏の実行委員長代行への就任が了承されました。また、副委員長に増田寛也氏(前総務大臣)、武藤敏郎氏(株式会社大和総研理事長)、など4氏の新規就任が了承されました。
次に増田氏と運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)から、3月15日から18日までの訪中の成果について報告がありました。今回のフォーラムは大連市が招致の意向を示していましたが、本フォーラムの「両国関係や課題解決のための民間対話」という基本的な性格は、開催地が大連に移っても変更されることはないこと、これからも開催地は原則的に両国の首都であり今回はあくまでも特別の措置であること、大連での開催であっても国務院新聞弁公室は全面的な支援を行うことが確認されたと説明し、開催地を大連とすることとフォーラムの詳細な開催日程についての意見を委員に求めました。この結果、大連での開催に関しては了承されましたが、開催時期については8月で調整する方向は了承されたものの、具体的な日程は後日決定することとなりました。また、テーマ別分科会の内容等についても幅広い議論がなされました。
その後、中国側からまず徐氏が挨拶し、過去のフォーラムについて「相互理解が深まり、認識のギャップも縮まってきたように思う」と述べてその成果を強調するとともに、さらなる戦略的互恵関係の発展への期待を表明しました。
つづいて高氏も「グローバルな危機の中でフォーラムが先導的役割を果たしていけるのではないか」と述べ、第5回フォーラムに向けた意欲を示しました。
最後に、フォーラムの財務基盤の現状についての説明が工藤からなされたのち、実行委員長代行に選出された安斎氏が「今回のフォーラムをなんとしてでも成功させたい」と改めて決意を語り、本日の実行委員会を締めくくりました。
中国側訪日団が塩崎恭久氏と岡田克也氏を表敬訪問
なお、実行委員会の前後には同フォーラムの実行委員である塩崎恭久氏(衆議院議員)と岡田克也氏(衆議院議員)に対する中国側の表敬訪問も行われました。
まず、午前中に中国側による塩崎氏への表敬訪問が行われました。この中で塩崎氏はまず、本フォーラムの性格を「民間中心でありながら政界・経済界・メディア界がハイレベルにコミットする、他にはないユニークな対話である」としました。そのうえで、本フォーラムが今後も引き続き日中間の太いパイプとして重要な役割を果たせるように全面的に応援するという意思を強調し、中国側にも成功のための努力を求めました。また、今年8月に予定されている第5回フォーラムに関しては、「世界的な経済危機の中で日中が果たすべき役割をじっくり話し合い、新しい世界の土台づくりの場となってほしい」との期待を示しました。これを受けて高氏も、今回の第5回フォーラムでは日中間の発展の基礎を固め、双方の積極的な努力によって公共外交の重要な役割を果たしたいと述べました。
また、実行委員会ののちには、中国側は岡田克也氏を表敬訪問しました。岡田氏もまた、本フォーラムを「政府や党にとわられない、率直な議論ができるユニークな民間外交の場だ」と位置づけました。これに対して徐氏は「今年は日中関係の重要な転換期であり、今後もフォーラム開催のためにバックアップしていきたい」という中国政府の意向を示しました。岡田氏は「経済危機の中で今後はアジアが世界を引っ張っていくことになる」とも述べ、日中両国の協力を軸としてアジア各国がまず危機を脱し、世界の中で先導的な役割を果たしていくことが重要だという認識を示しました。
今回の実行委員会を踏まえ、言論NPOは今年の8月に大連市での開催が予定されている「第5回 北京‐東京フォーラム」に向けた本格的な準備を開始します。準備状況は今後もホームページにて随時アップしていく予定です。
3月19日、今年8月の開催が予定されている「第5回東京‐北京フォーラム」に向けた第1回実行委員会が都内で開催されました。