「第20回東京―北京フォーラム」(12月3日-5日に東京にて開催予定)日中指導委員会事前協議の後、同フォーラム指導委員会の武藤敏郎委員長、宮本雄二・副委員長、山口廣秀・副委員長、そして執行委員長・日本側主催者代表の工藤泰志・言論NPO代表の4名は、中国側の各関係者に表敬訪問を行いました。
まず、長年「東京-北京フォーラム」の開催時に協力を行っている中国国際経済交流センター(CCIEE)に訪問。畢井泉・理事長はじめ、同センター幹部と面会しました。
面会の中で、武藤敏郎委員長は、今年の「東京-北京フォーラム」に向けた現在の取り組みについて説明。これに対し、畢理事長は「東京-北京フォーラム」が設立以来日中両国の交流面で重要な役割を果たしてきたこと、また困難な時でも一度も中断せず20年間開催してきたことを高く評価し、重要なプラットフォームであるとの認識を示しました。そして本年のフォーラムへの協力と、自身あるいは幹部の参加についても約束しました。
工藤は、「世界が危機にある中でも国際協力が進まない現状にて、日中間の協力を深めることで打開したい」と切り出し、次の10年に向けて日本側の覚悟と構想を次のように伝えました。「新時代に見合ったルールベースの秩序作りとその下での世界の協力を進めること、そして平和な秩序の修復を行うことであり、これらを日中が協力して主導することです」と述べ中国国際経済交流センターからの協力を求めました。
畢理事長からは、工藤の要請に対し全面的な支持の意が示され、「是非一緒になって、どうすれば共通の目的を成功さえることができるか話を進めましょう」と応じました。
次に、日本側指導委員会のメンバーは、中国外交部を訪問しアジア担当の孫衛東副部長と面会しました。冒頭工藤は、このフォーラムが王毅・外務大臣(当時は駐日大使)の協力の下2005年に立ち上がったフォーラムであり、困難な時でも過去20年間、日中間や地域の諸課題の解決に取り組んできた唯一のプラットフォームであることを強調しました。その上で2013年、尖閣諸島をめぐる対立で大きく悪化した際に王毅大臣の全面的な支持で「不戦の誓い」を日中で合意し発表することができたことにも言及し、「このフォーラムは重要な局面で毎回王毅大臣に登場していただいている。本年20年目の節目を迎える東京-北京フォーラムに再び生みの親である王毅大臣のご意見も頂きたい」と協力を求めました。この要望に対し、孫副部長は、中国外交部として引き続き支持、協力していく旨を伝え、「民を持って官を促す」という伝統の下、「東京-北京フォーラム」の役割に期待していることを示し、会談を締めくりました。
最後に、「東京-北京フォーラム」日本側主催者として、工藤は、中国共産党の対外連絡窓口である中央対外連絡部の趙世通・部長助理と会談し、第20回フォーラム並びに2025年から始まる次期10年のフォーラムへの理解を求めました。また、両氏は、二国間関係から人的交流の在り方、世論調査で見られた日本人の意識など多岐にわたる課題について意見交換。趙部長助理は改めて日中間の対話・交流の場である「東京-北京フォーラム」の役割を評価した上で今後も共通の目標の為に共に努力していくことを強調しました。
訪中時での各関係者との会談で日本側は、世界の協力と平和的な秩序の修復に日中が共同で取り組むことを提案し、その上で次期10年の「東京-北京フォーラム」をより高いレベルに位置付け、戦略的な視野に基づいた対話を行うことについて、中国側とほぼ合意しました。この合意を基盤に本年12月の「東京-北京フォーラム」に向けて準備を進めています。第20回フォーラムの詳細については今後本ホームページにて公開します。