言論NPOは2024年7月12日から8月22日にかけて日本、米国、中国、韓国の外交・安全保障の専門家に「北東アジアの平和を脅かす10のリスク」についてアンケート調査を行い、4カ国の計161名が二つの基準で評価・採点。これを2024年版「北東アジアの平和を脅かす10のリスク」としてまとめました。
2024年の北東アジアの平和を脅かす最大のリスクは「朝鮮半島」
2024年の北東アジアの平和を脅かす最も大きなリスクとして、日米中韓4カ国の専門家が選んだのは、朝鮮半島情勢です。
「北朝鮮が核保有国として存在し、ミサイル発射などの挑発的な行動を繰り返していること」が5.95点と、昨年同様トップ10の中の1位に選ばれましたが、今年はこうした北朝鮮の行動に加えて、「日米韓という米国を軸とした三カ国と、中国・ロシア・北朝鮮の三カ国との間で、『新冷戦』を想起させる対立構造が生じ始めていること」(5.26点・同率6位)、「ロシアと北朝鮮が『包括的戦略パートナーシップ条約』に署名し、露朝関係が軍事同盟の水準に上がったこと」(5.19点・10位)が上位に並び、採点者は朝鮮半島をめぐる対立構造にも目を向けています。
これに「韓国と北朝鮮の関係が悪化し、朝鮮半島に緊張が存在すること」(5.23点・8位)を加えると、朝鮮半島をめぐる項目が今回、初めてトップ10に4項目入る状況となりました。
国別で見ると、特に韓国の専門家はこの4項目に高得点を付け、強い危機感を示しています。これに対して、中国の専門家の採点は相対的に低いものとなっています。