「2003.9.10開催 アジア戦略会議」報告

2003年9月10日

030910_01.jpg今回は、戦略形成の方法論の第一ステップ「世界の中長期的潮流の洞察」の作業の中で、21世紀の国際秩序はどう描かれるのか、パクスアメリカーナとも言われる中で国連を中心とする体制がどうなるのかを鳥瞰することが必要との認識の下に、「国連の実態とその方向性はどうなるのか」をテーマとして、ゲストスピーカーの佐藤行雄前国連大使からお話を伺いました。

030910_02.jpg国連大使という現場でのご経験を踏まえた佐藤行雄氏からのお話から、国連の様々な実態が浮き彫りになりました。

それはイラク戦争でも露呈しましたが、国連イコール国際協調との認識は必ずしも正確ではなく、第二次大戦の戦勝国が牛耳る国連では、時にアメリカなどの超大国が虚々実々の駆引きを行うなど、国際政治の生々しい現実が動いていること、国連のスキームそのものが未完成であり、戦勝国の組織から21世紀にふさわしい組織にいかに脱皮していくかが課題であることなどが指摘されました。

日本は安保理常任理事国入りについてもっと議論を尽くすとともに、アジアの安全保障のための重層的な仕組みを構築しつつ、国連をどう活用していくのかといった視点が必要とした上で、佐藤氏からは、これまで専ら二国間の友好関係を追求してきた日本は、まず自らの外交・安全保障政策の目標そのもの設定する必要があるとの大きな問いかけがなされました。

会員の方には後日議事録を公開いたしますので、そちらを是非ご覧ください。

言論NPO個人正会員(基幹会員)の皆様は、「アジア戦略会議オブザーバー」として会議を傍聴できます。ご希望の方は、言論NPO事務局(E-mal: info@genron-npo.net、 TEL: 03-6229-2818)までお申し出ください。


今回の出席者は以下の方々でした。(敬称略)

 佐藤行雄(前国連大使)

 福川伸次(電通顧問)
 イェスパー・コール(メリルリンチ日本証券チーフエコノミスト)
 谷口智彦(日経BP社編集委員室主任編集委員)
 夏川和也(日立製作所特別顧問)
 工藤泰志(言論NPO代表)
 松田学(言論NPO理事)

今回は、戦略形成の方法論の第一ステップ「世界の中長期的潮流の洞察」の作業の中で、21世紀の国際秩序はどう描かれるのか、パクスアメリカーナとも言われる中で国連を中心とする体制がどうなるのかを鳥瞰することが必要との認識の下に、「国連の実態とその方向性はどうなるのか」を