「2002.11.26開催 アジア戦略会議」報告

2002年11月26日

021126_01.jpg今回は、「アジアの通貨・国際金融問題」というテーマで、加藤隆俊氏(元財務官・現東京三菱銀行顧問)と加藤暁子氏(慶應義塾大学グローバルセキュリティ・リサーチセンター研究員)からお話をうかがった後、会議メンバーによる活発な議論が展開されました。


「アジア戦略会議」では、21世紀の対アジア戦略を日本自身の将来像と結びつけながら描き出すために、来春のシンポジウムに向けて幅広い観点に立った議論を進めています。

そうした議論の論点を深めるため、前回の会合までに、中国の現状と外交戦略、ヨーロッパ統合を着実に進めてきたドイツの経験、朝鮮半島情勢をふまえた日本の安全保障問題、FTA構想を中心とした日韓経済関係、日米関係をふまえたアジア全体の安全保障問題、そして企業人の目から見た日本の対アジア戦略をテーマに、それぞれの分野の専門家からお話をうかがってきました。

今回は、会議のメンバーでもある元財務官の加藤隆俊氏が、アジアにおける通貨・金融面の協力について、まず現状、協力の方向を説明。そこから発展して、IMF体制との関係や円の国際化問題などの論点と、日本が今後どう対応していくべきかの視点についてお話くださいました。つづいて、ゲストスピーカーの加藤暁子氏から、新聞社で長年アジアを取材してきた豊富なご経験もふまえて、現在構想中の日本とASEAN諸国間でのFTA(自由貿易協定)が抱える問題、およびFTA交渉を通じて見えてきたアジアの中での日本が対応すべき課題についてのお話をいただきました。

そのあと、お二人の興味深いお話をもとに会議メンバーが活発な意見交換を行い、アジアに望ましい安定した通貨体制とはどのようなものなのか、日本が対アジア戦略を描く上で欠けているものは何かなど、議論は幅広い論点で展開していきました。

会員の方には後日議事録を公開いたしますので、そちらを是非ご覧ください。

次回の第8回会議は、12月5日、中国をテーマに専門家のお話を伺うところから議論を発展させていきます。

今後の議論の展開にご期待ください。また、議論をさらに発展させるために、皆様からのご意見もお待ちしております。

言論NPO個人正会員(基幹会員)の皆様は、「アジア戦略会議オブザーバー」として会議を傍聴できます。ご希望の方は、言論NPO事務局(E-mal: info@genron-npo.net、 TEL: 03-6229-2818)までお申し出ください。

今回の出席者は以下の方々でした。(敬称略)

 加藤暁子(慶應義塾大学グローバルセキュリティ・リサーチセンター研究員)
 福川伸次(電通顧問)
 安斎隆(アイワイバンク銀行社長)
 植月晴夫(三菱商事地域総括部長)
 大辻純夫(トヨタ自動車渉外部海外渉外室長)
 加藤隆俊(東京三菱銀行顧問)
 鶴岡公二(政策研究大学院大学教授)
 工藤泰志(言論NPO代表)
 松田学(言論NPO理事)

今回は、「アジアの通貨・国際金融問題」というテーマで、加藤隆俊氏(元財務官・現東京三菱銀行顧問)と加藤暁子氏(慶應義塾大学グローバルセキュリティ・リサーチセンター研究員)からお話をうかがった後、会議メンバーによる活発な議論が展開されました。