言論NPO・アジア戦略会議は、韓国から有識者を招致し、日本のアジア戦略を考えるに際して日韓関係にはどのような可能性があるのかなどにつき、率直な意見交換を行いました。
スピーカー:パク・チョルヒ(ソウル大学国際大学院教授)
言論NPO・アジア戦略会議では、アジアにおける日本の将来像を考えるに当たり、これまで得られた仮説を検証する形で議論を進めていますが、5月 19日に行なわれた会合では、同会議メンバーの深川由起子氏(早稲田大学教授)の紹介で、韓国より、パク・チョルヒ氏(ソウル大学国際大学院教授)をスピーカーとして招いて議論を行ないました。
言論NPOでは既に、何度かにわたる国際シンポジウムなどの場において、アジア各国の有識者を招いて議論を重ねてきましたが、日本の望ましい将来の「自己像」を考えるに際しては、それと、アジア諸国の日本に対する見方との間で、不断のすり合わせを行なう議論のプロセスが必要だと考えています。日中関係が悪化する中で、言論NPOは中国との間では、昨年より「北京―東京フォーラム」事業を開始し、議論交流のプラットフォームを形成していますが、日本は中国だけでなく、韓国との間でも色々な問題を抱え、その関係が悪化しています。
日本がアジアとどう向かい合うかを考えるためには、日韓関係のあり方もきちんと議論する必要があるでしょう。言論NPOは、アジアにおける国境を超えた言論空間の創出を目指していますが、今回のアジア戦略会議では、パク氏より、韓国の対日観や日韓関係について率直な議論がぶつけられ、メンバーと忌憚のない意見交換が行なわれる中で、こうした議論の場の重要性が再確認されました。
また、民主主義、市場経済、人権の尊重といった価値観を共有する日本と韓国との間には、アジアにおいて様々な可能性があり、そのことを合意して活かしていくことが、日本のアジア戦略にとって極めて重要であることが浮き彫りになりました。
今回の出席者は以下の方々でした。(敬称略)
パク・チョルヒ(ソウル大学国際大学院教授)
安斎隆 (セブン銀行社長・元日銀理事)
黒川清 (日本学術会議会長)
周牧之 (東京経済大学経済学部准教授)
深川由起子(早稲田大学政治経済学部・国際政治経済学科教授)
松田学 (財務省、言論NPO理事)
工藤泰志 (言論NPO代表)
言論NPO・アジア戦略会議は、韓国から有識者を招致し、日本のアジア戦略を考えるに際して日韓関係にはどのような可能性があるのかなどにつき、率直な意見交換を行いました。