7月30日、「第4回東京‐北京フォーラム」の実行委員会の後、記者会見が行われました。実行委員会から小林陽太郎実行委員長、大橋洋治副実行委員長、工藤泰志運営委員長の他、安斎隆副委員長、白石隆企画委員長、国分良成企画副委員長の5氏が、報道関係者22名に対して、今年のフォーラムの意義と内容について説明を行いました。
はじめに、本フォーラムの実行委員長である小林陽太郎氏は過去3回のフォーラムを振り返り、今大会開催の意義について説明しました。小林氏は、「2005年のフォーラム設立当時は日中関係の正常化を目的としていたが、関係改善に向かいつつある中での今年のフォーラムは、ここ数年で新たに発生した経済その他の問題についてより踏み込んだ議論を行う舞台になるだろう」とし、今年のフォーラムにはこれまでとは異なる意義があると説明しました。
次に、主催の言論NPO代表であり、運営委員長でもある工藤泰志から、本フォーラムの目的と概要について説明がありました。工藤は、本フォーラムを「単なる日中友好の舞台ではなく、本音で議論を行う対話チャネル」だと位置づけ、「日中間の相互理解と、共通課題の解決に向け議論を行うこと」がミッションであると述べました。また、今年のフォーラムでは7つの分科会を設け、新たな試みとして、中国政府関係者に政治・経済運営について説明を求める「ランチフォーラム」を開催すること、世論調査結果に基づく「メディア」分科会での議論をインターネット会議方式で公開することなどを検討中であるとしました。さらに「食料」「地方」の2分科会を新設すると説明しました。また、言論NPOが両国で実施している世論調査の結果は、9月8日の記者会見で公表すると述べました。
副実行委員長の大橋洋治氏はこれらを補足し、「ランチフォーラムの開催」と「分科会でのより現実的な議論」、「議論を国民にオープンにすること」の3点が今大会のポイントであるとしました。企画委員長代理の国分良成氏は、転換期にある中国の現状に触れ、国民レベルの相互理解の実現のためにも、主張すべきところは主張しつつ協力点を探っていけるようなフォーラムを継続して行っていくことが重要だと述べました。
報道関係者との質疑応答では、「地方」分科会での具体的な議論内容や、オリンピック後の中国経済の見通しと、それについてフォーラムでどのような議論を行うのかについて質問がありました。
企画委員長の白石隆氏は「地方」分科会新設の重要性について語り、「地域ごとに異なる意見を出し合い、新たな発見が得られるような機会にしたい」と述べました。
副実行委員長の安斎隆氏は、主要国の近年の内向き傾向を危惧したうえで「本フォーラムでの対話はこの傾向を打破する方法を探るひとつの機会になるだろう」と述べ、最後に「本フォーラムと日中の相互理解のさらなる発展のために、日本のメディアも積極的な報道を行ってほしい」と締めくくり、関係者に協力を呼びかけました。
文責: 学生インターン 高田玲子
7月30日、「第4回東京‐北京フォーラム」の実行委員会の後、記者会見が行われました。