12月16日、ウクライナの政策NGOである立法イニシアティブ研究所所長のイーホル・コフト氏(Mr. Ihor KOHUT)が言論NPOの事務所を訪れ、代表の工藤泰志などと会談しました。
コフト氏が所長を務める立法イニシアティブ研究所は、ウクライナにおける公共政策の分析と提言、政治や行政と市民の対話促進、公正な選挙実施のための支援等を主な活動内容としており、同国の民主化に貢献しています。日本の外務省の招聘により訪日した同氏は、ウクライナにおける同研究所の活動内容や言論NPOの行うマニフェスト評価活動とその手法等について、工藤と活発に意見交換しました。
コフト氏はまず同研究所の活動の概要を説明し、「(ウクライナの)共産党のマニフェストは一般的なことしか書かれていない。我々はマニフェストではなく政策そのものの評価を行い、「有権者のためのガイドブック」を出しており、また選挙の前には、政治家、ジャーナリスト、利害関係者、専門家を集めた公開討論会を開いている」などと述べました。
これに対して工藤はまず言論NPOの評価活動を説明し、アンケートやインタビュー、座談会などを多用して知識層の意見を吸収し、「社会の抱える課題の解決のために政党は何を提案するべきのか、マニフェストに書かれていないことまで評価している」と述べました。「何人の知識人が活動に参加しているのか」というコフト氏の質問に対しては、「一分野に二人ほどで合計40人ほどだが、座談会やヒアリングに参加している人も含めると倍以上になる」と答え、さらに全員が無償で協力していることや、学生の参加も多いと付け加えました。言論NPOが現在行っている鳩山政権の100日評価については、コフト氏も「ウクライナでも同様に、選挙で当選した党の政治家の100日時点での評価をしている」と応じ、工藤も「継続的な評価のためにも必要だ」と答えました。
会談の中では、言論NPOのマニフェスト評価体系や基準について議論が行なわれ、コフト氏は評価の結果を数値化して示す手法を「非常にわかりやすくていいアイデアだと思う」と評価すると同時に、「データとしての数字だけでなく、その数字を出す過程のやり方や考えが重要だ」と指摘しました。そして最後に、「(言論NPOの)活動は我々と非常に近く、また同じ方向を向いている。非常に有意義だった」と述べました。
文責 インターン 水口智(東京大学)
12月16日、ウクライナの政策NGOである立法イニシアティブ研究所所長のイーホル・コフト氏(Mr. Ihor KOHUT)が言論NPOの事務所を訪れ、代表の工藤泰志などと会談しました。コフト氏が所長を務める立法イニシアティブ研究所は、ウクライナにおける公共政策の分析と提言